■被災地・福島県いわき市の実態~実際に被災した住民の立場から~
里見 孝弘 先生/福島県保健衛生協会 医師 (乳房文化研究会 会員)
■被災地の実態~これまでの支援をふりかえって...今後の災害に備えての活動~
井口 優子 先生/井口小児科内科医院 開業医
■被災地の実態~地域医療に携わる医師の立場から~
大江与喜子 先生/医療法人財団樹徳会 上ヶ原病院 院長
・コーディネーター : 実川 元子 (乳房文化研究会 運営委員)
震災について、母乳という視点からは何が見える?という興味で参加した今回の定例研究会は、福島県の医師である里見先生、関西から被災地へ行かれた井口先生と大江先生、三方とも現場からの発信であり、「母乳」というテーマに限らず広く、貴重なお話を伺うことができた。震災以来ずっと関西にいる私にとっては、現場の具体的な話を聴けた点が、今回最も有難いことだった。具体的な話とは例えば、里見先生の仰った、粉ミルクを溶く湯の不足や、井口先生の指摘された、女性のパンティーライナーの必要など。被災地支援時の細やかな想像力の必要を痛感した。私は女であるので、災害が起こる度「生理中の女性は大変だろう」と心配になるのだが、女であっても出産・育児経験は無いので、授乳の困難といったことには考えが至らぬし、いわんや井口先生のお話にあった「人工肛門の方が避難所で肩身の狭い思いをしている」といったことには言われなくては想像が及ばない。