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すいみんコラム

  • 生活環境のスペシャリストに聞く! 全6回睡眠スペシャルインタビュー⑥

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    生活環境のスペシャリストに聞く! 全6回睡眠スペシャルインタビュー⑥

第6回 文化の違いと寝間着の違い

■ 寝間着の歴史ということもお聞きしたいのですが?

寝るときと昼間の服を替えるということは昔からあって、これは面白いことに洋の東西を問わず、昔は下着をそのまま寝間着にしてました。十二単の場合も一番下に着ていた小袖を寝間着にしていましたし、西洋も白くてふわんとしたシュミーズを服の下に着ていて、それで寝ていたから、昼間着ていたものから解放されて寝るというのは同じですよね。
だから昔も今も、昼間と夜は違うかっこうで寝るのは同じなんだけど、全く違うものに着替えるということはずっと後のことでしょうね。
温泉なんかに行っても、浴衣を出してくれて湯上がりにしばらくくつろぐ訳だけど、江戸時代に木綿が庶民のものになったとき、水分をよく吸収する木綿で作った浴衣が風呂上がりには最適で、それが寝間着に転用されていくというのが日本の寝間着の歴史です。明治くらいだと、うちの母親などでもガーゼの浴衣などが普通だったし、入院するときも皆そんなのを用意したものだし、いまのパジャマのようなものが普及するのは本当に戦後じゃないかしら。
いまでも覚えてますよ。ちょうどマリリン・モンローがシャネルの5番だけをつけて寝るなんて言ってたころ、ナイロンが出てきて、フリルがいっぱいのベビードールやネグリジェをみたときは本当にうっとりでしたよね。でも着てみると暑くてダメなんだけど。

■ 海外の面白い寝間着についてご存じでしたら教えて頂きたいのですが。

日本のほうが、牛さんのぬいぐるみとか面白いのあるわね。海外でそういう物を着てる人はいないんじゃないでしょうか。
海外だと、ロングTシャツの人とか多いですね。アメリカで女性の学者さんと一緒に旅行して、同じ部屋で寝るのでどんな寝間着を着るのかしらと思ってみていたら、すごいセクシーなはみ出しちゃいそうなドレスなんです。それにおそろいのガウンのようなのを着ていて、寝るまではそれを羽織ってくつろいで、ベッドに入るときにガウンだけ脱ぐの。むこうのカタログってそういうの多いですよね。やっぱり欧米って、大人にとっては寝る時間はセクシーな時間で、そこで着るものもいかに自分を魅力的に見せるかということにフォーカスしてるんですね。
日本が一番「快眠」「快眠」って言ってるんじゃないでしょうか?(笑) まぁそれだけ忙しいんでしょうけど。

夜寝るときに着るものを寝間着と定義するなら、そこにどんな価値観を見いだすかということでは、日本が一番「眠り」ということを重視する気がしますね。
眠りについてのフォーラムをやったとき、日本がこれだけ「眠り」を重視するのは、そうやって従業員を昼間働かせようとする会社の陰謀だなんて主張する方もいて、面白かったです。そして、そのフォーラムを主催した企業が4カ国で調査をしたんですが、いつ入浴するかで寝間着を着る時間もまったく違うんですよね。
あとは暖房。韓国はやたらにオンドルが効いているので、薄着で過ごせてしまうんです。家屋の状況によっても、寝る時間を性的な時間ととらえる文化の違いによっても、眠りに関わる環境は大きく変わってくるんです。
割と日本人は、明治以降の「早寝・早起き」の号令の下に、まじめに明日の活力のために寝るという考え方は強いようですね。いずれにしても、眠りということには文化の影響がつきまとっていますね。

第1回 快適な眠りのために
第2回 刺激で妨げられる快眠
第3回 究極の寝間着とは・・・
第4回 着替えが入眠へのスイッチ
第5回 快眠を実現する寝間着とは

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