WACOAL STUDYHALL KYOTO

ワコールスタディホール京都のライブラリーの中から、特に貴重で美しい本を現在、ギャラリーにて展示しております。 美に関心のある方、本好きの方、デザイン・広告に興味のある方みなさまに楽しんでいただける展示です。

Selected books Art & Photography by wacoal studyhall Library
会場:ワコールスタディホール京都 ギャラリー
会期:2017年6月6日(火)~2017年6月10日(土)
時間:火曜~土曜 10:00~17:30
休廊日:日・月・祝日
入場無料

Selected books Art & Photography by wacoal studyhall Library

■展示本
『Flair』
APRIL 1950/ AUGUST 1950/ DECEMBER 1950/ FEBRUARY 1950/ JENUARY 1951/ JULY 1950/ JUNE 1950/ MARCH 1950/ MAY 1950/ NOVEMBER 1950/ OCTOBER 1950/ SEPTEMBER 1950
「Flair」から考える美しさ
「美しさ」の根源について、私たちは雑誌『Flair』という存在から考えたいと思います。1950年に僅か1年だけアメリカで発刊されたこの雑誌は、その美しい造本やエディトリアル・デザインで瞬く間に時代を牽引するメディアになりました。画家であり、作家でもあるフルール・コウルズ女史によって編集されたこの雑誌の創刊号には、ジャン・コクトーやサルバドール・ダリ、ウォーカー・エバンスなど、当時欧米で最も先鋭的な仕事をしていたアーティストたちが参加。同時代にアレクセイ・ブロドヴィッチが手掛けた『Harper's Bazaar』やアレキサンダー・リヴァーマンの『VOGUE』がファッションを専門的に扱ったのに対し、『Flair』はフルール・コウルズの感性に語りかける「美」という1点のみを追いかけた自由な編集方法が現代的でした。ジャンルの壁を自由に横断し、琴線に触れる情報のみを美しい造本で表現する。穴抜き加工や別紙のインサートなど、五感全体に訴えかけるエディトリアル・デザインはコストの問題を生み、『Flair』の寿命を短くしたと言われます。が、その実感を最も大切にする「美」の伝え方こそ、情報過多の時代に必要な姿勢だと私たちは思うのです。

『The Manipulator』
Issue 1984 No.2 / Issue 1985 No.3 / Issue 1985 No.4 / Issue 1985 No.5 / Issue 1986 No.6 /Issue 1986 No.7 /Issue 1986 No.8/ Issue 1987 No.11 / Issue 1987 No.12 /Issue 1988 No.15/ Issue 1989 No.16/
ドイツ・デュッセルドルフで、Wilhelm Moser and David Colbyの二人によって1982年に創刊され、29号(1994年)まで続いたカルト雑誌。70×50cmという超巨大なフォーマットを特徴とし、アートをメインの題材に、ファッション、写真、建築、デザイン、フィルムなど、様々なジャンルを各号フィーチャーしています。1980年代セルフ・パブリッシング系のエクストリーム的存在として記憶されている。ヘルムート・ニュートンも、あの「SUMO」刊行にあたり意識したという。各号掲載のファッション広告のクオリティも高く必見です。
ポール・ポワレ編集『PAN annuaire du luxe à Paris』1928年刊 (devambez社発行)
KCI所蔵
本書『PAN annuaire du luxe à Paris(牧神:パリ贅沢品年鑑)』は20世紀初頭のパリで活躍したファッション・デザイナー、ポール・ポワレ(Paul Poiret [1879-1944])が編集した広告図集です。当時、パリで名声を高めていた高級品店、115店の広告が1ページにつき1枚ずつ印刷されています。掲載店のなかには現存する店も多く、服飾品のランヴァン、宝飾品のヴァンクリーフ&アーペル、レストランのトゥール・ダルジャンら有名店が名を連ねています。
贅沢品が一般の人々の憧れの対象となり、高級品店がより身近な存在になった1920年代。そうした店は人々を惹きつけるために気鋭の画家やイラストレーターを起用し、広告における芸術性の高さを競うようになります。本書には当時パリで活躍していた日本人画家、藤田嗣治や芸術家のジャン・コクトーによる広告も収録されています。このような広告媒体の新しさに目を付け、1冊の本にまとめたポワレもまた、先見性をもったクリエーターだったと言えるでしょう。
ポワレは1930年に発行した回想録で「『PAN』は当初狙っていた顧客だけでなく、芸術愛好家や愛書家にまで広がり、大量の部数が求められた。これはいつの日か再評価されて、雑誌の新しい典型の一つとなることだろう。」と自信をにじませています。

幅允孝と語るアール・デコの広告とポール・ポワレ
http://www.wacoal.jp/studyhall/library/event/article71147