前へ戻る 上流下着のつどい

106 透明感のトレンドを読む
不透明な時代だから、下着には透明感を。
シモーヌ・ペレール「1948」ブラとショーツ(11月発売予定)  最近見たランジェリーで印象に残ったのは、シモーヌ・ペレールの「1948」。1948年にパリの小さなアトリエから始まったこのブランドが70周年を迎え、創業年を冠した特別なコレクションを発表したのです。「ボディス(=体にフィットした胴衣)」は、紐で締め上げるクラシカルなスタイルでありながら、着脱しやすいよう脇にファスナーがついていたり、モダンな透け感が取り入れられているなど、現代のエッセンスにあふれています。

シモーヌ・ペレール「1948」ボディス(参考商品)  植物柄のような刺繍をよく見ると、無数の鳥が羽ばたいてゆく姿。未来への希望を感じさせる美しいモチーフですね。ボディスのデザインを踏襲したブラとショーツは、より軽やかで、透け感のバランスもユニーク。最近のファッションは、透明感やトランスペアレントがキーワードのひとつとなり、パリコレでもシャネルの透明なブーツやコートが話題になりました。不透明な時代へのアンチテーゼとしても、今年は透明感に注目したいところです。
黒のチュールレースがセクシーなシモーヌ・ペレール

 透明感が美しすぎる、淡いピンクのブラとショーツも、もちろんシモーヌ・ペレール。フランスのランジェリーを見て「この色って何色?」と考えるのは楽しみのひとつでもありますが、可憐なこのピンク色は、フランス語の「ペーシュ(桃色)」に近いでしょうか。日本で桃色といえば桃の花、あるいは桃の皮の赤っぽいピンク色を指しますが、フランスの桃色は、桃の果肉色。ほんのり赤味をおびた、やわらかく優しい色なのだそうです。
シモーヌ・ペレールらしい透明感のあるカラー
 ランジェリーの色に魅せられ、ワコールスタディホール京都のライブラリーで『フランスの色』『フランスの伝統色』などの本を閲覧していたら、さらに似た傾向の色があることもわかり、ロマンチックな想像をかきたてられました。「シェール」は手のひらや指先、頬に見られる淡いピンク色。「ローズ・テ」は薔薇をブレンドした紅茶の色。スモーキーで落ち着いた色が目立つ日本の伝統色に比べると、フランスには、透明感のあるクリアな色が多いように感じられます。

右)『フランスの色』コロナ・ブックス編集部/平凡社
左)『フランスの伝統色』城一夫/パイインターナショナル

ランジェリーは、建築とつながっている。

透け感のグラデーションが美しいワコールディア  透明感の表現は、日本のラグジュアリーブランドも得意です。たとえば、レースの透け感を多彩なコーディネイトで心ゆくまで楽しませてくれるのが、ワコールディア。ベーシックラインのブラの繊細さとバストを魅力的に見せる機能は、世界に誇れる縫製のクオリティによるもの。シンプルで美しいバランスと輝きの秘密は、バストの高さをつくりだす手仕事によるタックと、そこから生まれるドレープとの絶妙な組み合わせなのです。


左)繊細なレースと刺繍に魅了されるトレフル
中)透明感あふれるデザインのスタディオファイブ
右)ドットレースがやさしい雰囲気のウンナナクール
 トレフルやスタディオファイブ、ウンナナクールにも、透明感が楽しめるコレクションを発見。上品な透け感は、一流ブランドならではのテクニックだと思います。ちなみに、今や建築の分野でも、透ける生地が使われているのをご存じでしょうか。建築家の隈研吾によると「建築は今後、もっと洋服に近づく」とのこと。先日『浮庵』という作品を見ましたが、宙に浮いた透明な巨大風船に極薄のオーガンジーをかぶせた、天女の羽衣のような茶室でした。


 シモーヌ・ペレールのランジェリーを見れば、フランスの伝統色が気になるし、透明感に着目すれば、ランジェリーと建築がつながってしまう。上質な下着は、からだに最も近い部分から私たちの感覚を呼び覚まし、世界を拡張してくれるようです。今回は、ワコールスタディホール京都のライブラリーで閲覧した美しい本たちも、インスピレーションを与えてくれました。珍しい本をゆったりと眺めていると、時間がたつのを忘れてしまいますね。
『Opera de Paris』(全4巻)田原桂一/文献社  パリを拠点に活躍した京都出身の写真家、田原桂一の『Opera de Paris』全4巻も見ることができました。フランス政府の依頼でパリ・オペラ座を8年かけて撮影した大判の写真集で、建築、舞台、衣装などのディテールの迫力が凄まじいのです(今は絶版ですが、初版時の定価は32万円だそう)。こんな重厚な本や、通常のルートでは見つけにくい本を手にとる贅沢を、どうか皆さんも体験してみてください。

『上流下着のつどい』の読者特典として、事前予約をすれば、1回限りライブラリーが無料体験できるそうなので、お近くの方や京都に行かれる方はぜひ!


・体験はお1人様1回限りです。
(ライブラリー・コワーキングスペース1日会員とはサービス内容が異なります。)
・お電話にて事前予約をお願いします。
・ご予約の際には、「上流下着のつどい」を読みました。とお伝えください。 (075-556-0236、受付時間は、祝日・年末年始をのぞく火曜~金曜日 9:30~17:00)
・ご来場の際には「1日利用申込書」にご記入いただくとともに
 本人確認資料のご提示をお願いいたします。
・営業時間やアクセスは、ワコールスタディホール京都のウェブサイトにてご確認ください。
ワコールスタディホール京都のウェブサイトへ
■シモーヌ ぺレール
http://www.wacoal.jp/import/perele/
■ワコールディア
http://www.wacoaldia.com
■トレフル
http://www.wacoal.jp/trefle/
■スタディオファイブ
http://www.studiofive.jp/
■ウンナナクール
http://www.une-nana-cool.com/