EPISODE No.10
いつどんな瞬間も
真心を込めた接客を〜素敵な一日になったと
よろこんでくださったお客様〜ワコール ビューティー アドバイザー H.I
ある日のこと、そのお客様は閉店時間の少し前にいらっしゃいました。
「ごめんなさい。閉店時間まであと10分ほどしかなくてギリギリですが、実施中の無料診断を受けることってできますか?」
そう言っておそるおそるご来店されたお客様さま。閉店直前だからと恐縮させてしまったことに対して申し訳なく思いながらも、できる限りお気を遣わせることなく楽しいお買い物のひとときを過ごしていただきたい。そんな想いが湧きあがりました。
「歳を重ねて、だんだん肉質が柔らかくなってきたことで食い込みが気になってしまって…」とのことでしたので、あらためてサイズをお測りしたり、「ラゼの「着やせすっきりブラ」をご提案したりと、普段と何ら変わりのないいつも通りの接客で30〜40分ほど過ごしたでしょうか。
するとお買い上げいただいたあとにお客様をお見送りした際、にこっとほほえんでくださった後に「どうもありがとうございます。一日の最後がとても素敵なしめくくりになりました」とお礼の言葉をくださったのです。
お客様の生の声というのは販売している立場からすると、他の何にも変えがたいモチベーションです。ちょっとした一言が忘れられない宝物になることも少なくありません。だからこそ私自身、この出来事がすごく嬉しい一日のしめくくりになりました。
そしてさらに後日。なんと、売り場へ一通のメールが届きました。
そこにはお客様から私の名前とともに「閉店間際にもかかわらず、買い物がしやすかった」という感謝のお声が綴られていました。「お気を遣わせたくない」という自分の心がけが良い方向に作用したこと。そして何よりお手間をいただいてメールという形に残していただけたということに、とても感激してしまいました。
この一連の出来事は、あらためて「この仕事をやっていて良かった」と再確認できたと同時に、私にとって特別な記憶となっています。