■講師・講演テーマ
●上田 木綿子先生(うえだ ゆうこ)
赤ちゃんとお母さんの健やかな明日の為に ~人工乳開発の立場から~
アイクレオ株式会社 マーケティング部 研究開発課
●片山 高嶺 先生(かたやま たかね)
母乳中のオリゴ糖の働き ~ビフィズス因子としての機能~
京都大学大学院生命科学研究科 教授 / 石川県立大学 特任教授
■パネルディスカッション
●コーディネーター
廣瀬 潤子 運営委員(滋賀県立大学人間文化学部 生活栄養学科 准教授)
●パネラー 上田先生、片山先生
赤ちゃんにとって母乳栄養が"いちばん"ですが、人工乳が必要な方や、必要な時があります。人工乳をより良くするために、現在、どのような取り組みがなされているのでしょうか?人工乳開発の歴史や最先端の研究を通して人工乳を考える研究会を開催しました。
開会にあたり、コーディネーターである滋賀県立大学の廣瀬潤子先生より母乳のネット販売の問題を事例に、必要な場合には人工乳を正しく使う、そのために人工乳のことを正しく知る研究会にしたいという主旨説明をいただきました。
最初に「赤ちゃんとお母さんの健やかな明日のために」というタイトルでアイクレオ株式会社の上田木綿子先生より開発の立場から人工乳についてお話をいただきました。粉ミルクとは法律上は特別用途食品のひとつで、乳等省令では調整粉乳と呼ばれるものであり、国やメーカーが安全性を非常に重視し、品質管理を徹底していることの説明がありました。人工乳の歴史は、1835年の加糖練乳から始まり、1913年にガステンバーガー博士という方が現在の原点となる人工乳を開発して飛躍的に進化したこと、その後、幾つかの悲しい事件がありながら、それらを教訓に安全性、栄養面で進化していること、現在も日々、研究データをもとに、粉ミルクの成分を母乳に近づける工夫改良を積み重ねていることをお話いただきました。