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睡眠の法則

  • 毎日を充実させる睡眠の法則42

    ●睡眠の法則

    毎日を充実させる睡眠の法則42

早起きのリズムをつくるコツとは

スヌーズを使うほど起きられなくなる!?


「もう少し早起きできれば余裕をもって生活できるのに」と思いつつも、
なかなか早起きできない・・・。
そんな場合に、試してみていただきたい方法があります。

vol.42スヌーズを使うほど起きれない
早起きが難しい人は、起きる時間のリミットの、
30分や1時間前に目覚まし時計をセットして、
そこから5分ごとに目覚ましがなるスヌーズ機能を使う、
という方法をとりがちです。

実は、スヌーズ機能を使うほど、目覚めが悪くなる、
ということが実験で明らかになっています。
スヌーズ機能は、目覚めのゴールがずるずると、
後ろにずれていくので、脳にとっては、
どの時間に合わせて起床すればよいのかが分かりにくいのです。

脳にとって、起床とは重力方向が変わることです。
ベッドで横になっているときは、
脳は地面に対して水平になっていますが、
起き上がると垂直になります。

重力によって、体内の水分(もちろん血液も)は足元に下がりますが、
それに逆らって血液を脳に吸い上げなければなりません。
これが、とても大変なことで、脳に血流を届けるために、
起床の3時間前からコルチゾールという血圧を、
上昇させる物質を分泌させて準備をしています。

スヌーズ機能によってゴールがずれると、
血圧は上昇と低下を繰り返し、
「もう起きなければまずい!」というリミットで、
起き上がったときに急激に上昇します。

急激に脳に血流が集まると頭が痛くなったり、
脳に血流を奪われて、他の内臓に配分される血流が少なくなり、
気持ち悪くなることがあります。

脳にとっては、ギリギリの時間まで粘って眠ることは、
負担なのです。

実際に起きた時間に目覚ましをかける


脳にかかる負担を避けつつ、早起き生活に変える方法があります。
それは、実際に起きた時間に目覚ましをかける、という方法です。

例えば、本当は6時に起きたいのに7時30分に起床している、
という場合は、7時30分に目覚ましをかけます。
そして、就寝するときに「7時30分に起きる」と、
頭の中で3回唱えます。

これは、コルチゾールが「何時に起きた」と言語化されると、
その時間帯に分泌のピークが合いやすくなる、
という性質から使われる、自己覚醒法という方法です。

すると、翌朝は7時30分より少し前の、
7時25分ごろに目が覚めます。
これができたら、その夜は7時25分に目覚ましをかけて
自己覚醒法を試みます。

すると、翌朝は7時10分ごろに目覚めます。
これを繰り返していくと、段々と起きられる時間が早くなり、
目的の時間に起きられたらその時間で固定します。

自分が何時に起きたいという希望ではなく、
実際に脳が睡眠という作業を終えて、
目覚めの作業ができた時間に合わせると、
目覚めが早くなるのです。

前日は7時10分に起きられたのに、
翌朝は7時30分になってしまった、
ということがあっても慌てずに、
夜には7時30分に目覚ましをかけます。
あくまでも、希望ではなく、
事実に合わせて淡々と行うことが、成功の秘訣です。

もし、実際に起きた時間に目覚ましをかけて、
起きられなかったらと思うと怖い、と心配な人は、
休日を使って試してみてください。

金曜日の夜に、その朝に実際に起きた時間に、
目覚ましをかけて自己覚醒法を試す。
意外と起きられた、という体験ができれば、
平日にも反映させていけるはずです。

菅原洋平 菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。

イラスト/菅原洋平
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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