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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則44
脚のむくみがいびきの原因に!?
いびきが気になる人は脚のむくみをチェック
一緒に眠っているパートナーに、
いびきを指摘されたことはありますか?
いびきや、眠っている間に呼吸が止まる
睡眠時無呼吸症候群には、
脚のむくみが関係することがあります。
体液シフト仮説という考え方があります。
人間のからだは、60~70%が水分だと
聞いたことがありますか?
私たちが普段立ったり座ったりしているときは、
重力は頭側からかかっているので、
からだの水分は足元にたまります。
この状態で夜、就寝時にからだを横たえると、
からだの水分が足元から首の方に移動していき、
息の出口が狭くなるので、
無理に息を吐いたときに出る音がいびきで、
息を吐き出せなくなるのが無呼吸状態です。
体液が足元から頭側に移動する量が多いほど、
無呼吸はひどくなると考えられています。
「体液が移動する量が多い」ことを、
最も自覚しやすいのは、脚のむくみです。
靴を履くときに、ちょっときつく感じるときがあったり、
靴下やストッキングの跡がつきやすい、
と感じることはありませんか?
美容のためにはもちろんですが、
いびきや無呼吸対策としても、
むくみを解消しておきましょう。
むくみを解消する2つの方法
脚のむくみを改善するために、簡単にできる方法があります。
まずは、⑨「足首を温めてぐっすり眠る」でご紹介した、
就寝前に足首を温めることです。
入浴後にレッグウォーマーを履いておくだけなので、
とっても簡単です。
もう1つ、脚のむくみが起きにくい、
からだをつくる方法があります。
筋肉は、収縮すると周囲の水分が動くので、
からだの中では水分を動かす、
ポンプのような役割をしています。
普段、重力は頭側から受けているので、
脚のむくみを防ぐには、足元に溜まった水分を吸い上げる
ポンプの働きが必要です。
そこで、ふくらはぎの筋トレをしてみましょう。
ふくらはぎの筋トレは、
カーフレイズというエクササイズです。
肩幅に脚を開いて、倒れないように、
壁や椅子に片手をついてからだを支えます。
そして、つま先立ちをしてゆっくり戻ります。
これだけです。
両膝を軽く曲げてからつま先立ちをすると、
さらにポンプの機能は活用しやすくなります。
これを1日のうちどの時間帯でも良いので、
20回程度行ってみましょう。
カーフレイズを行うときには、1つだけ注意点があります。
つま先立ちをしているときに、両足親指の付け根あたりに、
体重が乗っていることを確認してください。
小指側に体重が逃げていると、同じ運動をしているように見えても、
筋肉のポンプ機能が使えていません。
いわゆる下駄の鼻緒のあたりに体重が乗っていることを確認して、
からだの水分をぐるぐる回しておけば、
就寝時に移動する水分の量を減らすことができます。
自分のためにも、ベッドパートナーのためにも
いびき・無呼吸対策をしておきましょう。
菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
イラスト/菅原洋平
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