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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則70
夜中まで仕事で眠れないときの対策
今夜は眠れない、そんなときの対策は
リモートワークが多くなり、
出勤が少なくなったことで、
いつでも仕事関係の人とつながれることから、
仕事を切り上げられなくなった、
という問題も出てきています。
あえてつながらない時間帯を設けることを、
新しい仕事上のルールとして追加する必要があるのですが、
どうしても夜中の作業が避けられないこともあります。
夜中まで仕事をしたときに、
ダメージを最小限に抑える方法を
知っておきましょう。
私たち人間に備わった生体リズムは、
1日に2回眠くなる仕組みになっています。
起床8時間後に、1回目の眠気がきます。
これは、ちょうど昼食後の時間帯にあたり、
計画仮眠で先に眠気を取り去っておくことで、
午後の生産性の低下を防ぐことができます。
2回目の眠気は、起床22時間後にピークになります。
6時起床の場合は、明け方の4時ごろ。
寝つけない日や徹夜で作業をしていた日でも、
明け方にはうとうとした、という経験があると思います。
一方で、動物は、1日に何回も眠ります。
1日のうちに複数回眠ることを
多相性睡眠と呼びます。
これをうまく真似すると、夜中の作業でも、
ダメージを少なく済ませることができます。
ダメージを減らす多相性睡眠とは
多相性睡眠は、1日の睡眠の60%程度を、
複数回に分けてとるという方法です。
通常は7時間程度の睡眠をとっていたら、
多相性睡眠では、複数回にわけて、
トータルで4時間くらい眠ることを目指します。
うまくやるコツは、
眠気に関わらず実行することです。
眠くなってから眠るのではなく、
決めた時間がきたら短時間の仮眠をとる、
という方法です。
仕事の締め切りが迫って、
「今夜は眠れないかも・・・」
ということが分かったら、
昼過ぎから多相性睡眠を始めてみましょう。
3時間作業しては30分眠る。
これを繰り返します。
30分眠るときは、
「30分後に起きる」と3回唱えて、
脳に仮眠の終了時間をセットしましょう。
中途半端にリクライニングした椅子ではなく、
できるだけ体をフラットにして眠ります。
眠気が出てから仮眠をしてしまうと、
寝過ぎてしまったり、
目覚めたときにボーっとする、
睡眠慣性が起こります。
眠くないうちに、
決めた時間に作業を切り上げて眠ります。
そして、いつもの起床時間の22時間後は、
少し長めに眠ってみましょう。
翌朝は、かなり寝不足ですが、
脳脊髄液に睡眠物質が溜まっているので、
できるだけ昼間眠らずに過ごし、
睡眠物質の量が最高になった夜の早い時間帯から翌朝まで、
まとめて眠ってみましょう。
連続して起きていた時間が長いほど、
その後の睡眠の質が向上します。
急場しのぎは多相性睡眠を使い、
翌日はひとまとまりの睡眠をつくる。
これでダメージを最小限にして、
乗り切りましょう。
菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
イラスト/菅原洋平
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