WACOAL STUDYHALL KYOTO

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~まいにちを彩る"おとなの嗜み"~ 恋する♡きもの道

京都市 × ワコール共催 きものプロジェクト

日時
2019年3月23日(土)
14:00~16:30
料金
540円(税込/1ドリンク付き)
学べる美
感性の美
講師
大川 枝里子[着物スタイリスト]
ファシリテーター
山本 恵果[京都市 産業観光局 商工部 伝統産業課 染織係長]
講座形式
トークショー
分野
文化,トレンド,生活
講座番号
18k026-001

2019年3月23日、ワコールと京都市による、着物をもっと身近に感じるためのイベント「~まいにちを彩る"おとなの嗜み"~ 恋する♡きもの道」を開催しました。日頃からきものの振興に取り組まれている京都市からの依頼に、ワコールスタディホール京都では、きものを着る機会の少ない方にヒアリング調査を実施。「きものをファッションとして気軽に取り入れることで、ふだんのお出かけをもっと楽しみたい!」という要望にこたえるイベントを企画しました。

イベント当日は、きものを日常的に楽しむための提案や、参加者のきものをアレンジするコーナー、きものにまつわるお悩みアドバイスもあり情報が満載! その様子の一部をご紹介します。

日常でもっときものを楽しむためのヒントが盛りだくさん

日常でもっときものを楽しむためのヒントが盛りだくさん

春の兆しを感じる京都にて、ゲストに着物スタイリストの大川枝里子さんと、ファシリテーターに京都市の伝統産業課で和装振興に携わる山本恵果さんをお迎えしてのイベントが和やかにスタートしました。

参加者65名のうち、約7割がきもので参加されたことで会場はとても華やかな雰囲気に。

大川枝里子さん大川枝里子さん
山本恵果さん山本恵果さん

アンティークをきっかけにきものの世界のとりこになった大川枝里子さんは、奥ゆかしい桜色の小紋柄のきものに大胆なドラゴン柄の帯を合わせて。
プライベートでもきものの普及活動をされている山本恵果さんは、10年前に2時間悩んで初購入したというきものに、着回ししやすいというブルーの帯と黄色い帯締めで登壇されました。

まずは大川さんの私物のきものをまとったスタッフを例に、柄選びや帯の合わせ方などの紹介からスタート。

大川さんのコレクションを使って実際にきものをアレンジ大川さんのコレクションを使って実際にきものをアレンジ
アンティークの着物は大胆な柄が特徴アンティークの着物は大胆な柄が特徴

鮮やかな茄子紺のきものはアンティークのもの。黄色がベースの帯とのコントラストが華やかです。「この時代に合わせて、刺繍襟をたっぷりと見せました。裏地には紅絹(もみ)という真っ赤に染めた絹が使われていて、昭和初期に流行したスタイルなんです」と大川さん。

山本さんからの「アンティークきものの選び方は?」の問いに対しては、「派手なものが多いので、全身で着ることを考えて試着は必ずしましょう。最初、抵抗があればきものだけ、帯だけなど部分的に取り入れるのもいいですね」というアドバイスが。「ヘアスタイルはボリュームを出して洋服のときに使うようなバレッタも合いますし、ピアスも意外と相性がいいんです」と教わりました。きもの用に調達しなくても、手持ちのアクセサリーで応用できそうです。

黒地にシルバーの箔とピンクの刺繍が洗練された印象の帯黒地にシルバーの箔とピンクの刺繍が洗練された印象の帯
帯をチェンジするだけで華やかさがアップ.jpg帯をチェンジするだけで華やかさがアップ

次に、「きものを来ておでかけすると目立つのを気にする方も多いので」と都会になじむというグレイッシュなトーンのきものが登場。黒地にシルバー×ピンクの刺繍をあしらった現代風の帯を、まくらをつけず下にボリュームを出した銀座結びに。それを彩りのある帯に変えるだけで明るい印象に変わり、会場からも「かわいい!」の声が上がりました。

「このようなシンプルなきものは地味と思われがちですが、帯がとても映えるんです。ワントーンで細かい柄のものが一枚あると普段着に重宝しますよ」と大川さん。また、最初の1枚には同じくシンプルなことに加えて自宅で洗える木綿のきものもおすすめとのこと。

やさしい風合いの伝わる木綿のきものやさしい風合いの伝わる木綿のきもの

常識にとらわれない発想豊かな着こなし術をレクチャー

スクリーンを使って、さまざまなパターンのきものの着こなし術も紹介されました。いかに気軽にきものを楽しむことができるか、をテーマに大川さんが導きだした答えは「肌寒い日には、長襦袢の代わりにタートルネックのセーターでもOK、足元にブーツもあり」というもの。大川さんがワンピースを仕立てるために買っておいたという布を帯のかわりに巻いたスタイリングや、カゴバッグを合わせたり、例えば荷物の多い子連れママならリュックを背負ったりしてもいいと思いますよというお話に、「ありきたりな着方でなく参考になりました」の声が届きました。

参加者のきものを希望に合わせてアレンジ

参加者のきものを希望に合わせてアレンジ

後半には、参加者のきものを大川さんがアレンジするコーナーも。お母さまから譲り受けたという爽やかなブルーのきものをお召しの方からは「だいたい決まったパターンになってしまうんです」とのお悩みが。大川さんが選んだのは、白に近いクリーム色の地に差し色でブルーが入った帯とたまご色の帯締め。「これなら、気軽な食事に行くのにもぴったりだと思います。たまご色の帯締めは、重宝するのでおすすめですよ」とにっこり。

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参加者一同、目からウロコだったのは、大川さんが着付けをする際にバターナイフを使われていたこと。「着付け専用のヘラもありますが、私にはバターナイフがちょうど手に馴染んでとても使いやすいんです」と、思いもよらないアイテムに会場がどよめきました。

きものにまつわるあらゆることにおいて、むずかしく考えなくて大丈夫!という助言に「さっそく最初の一着を探しに行きたい気分になりました」という参加者の声も。大川さんからは締めくくりに、「このきものにはこの帯、といった先入観をなくして新しい気持ちで向き合うことで、楽しみ方の幅が広がりますよ」との言葉が。自由なアレンジが楽しめることも、きものの大きな魅力のひとつ。今回のイベントをきっかけに、毎日の暮らしにきものという新たな楽しみが加わることを願います。

取材・文/シキタリエ

撮影/合田慎二