13 December, 2019
vol.12ー3 マルチアーティスト静電場朔 Dianさん
interview
北京出身のマルチアーティストである朔さんとの企画の第3回。
Vol.1はこちら
Vol.2はこちら
最終回は、今、とても興味深い、中国のリアルな女の子事情についてお伺いしました。
◆ファシリテーター:小山恵理(株式会社ワコール)
◆お話相手:王楠(株式会社ワコール)
------------初めて東京へ来た時の印象を教えて下さい
朔さん(以下S):北京にいた時から東京を舞台にした映画や小説や漫画、ドラマなどが好きだったので、初めて来たときは作品の世界に飛び込んだようでな気持で、ディズニーランドに来たみたいなドキドキ感がありました。ファッションも個性的で独特で、不思議な博物館のようでした。原宿とか、渋谷とか、最初はワンダーランドだ!と思っていましたが、その人自身をよく知ると穏やかな方が多いという印象でした。
北京は京都、上海は東京に近い気がします。
王(以下W):私はとにかく満員電車に驚きましたね。
S:中国の交通機関は安全検査(セキュリティチェック)が必要でとても混雑するのでタクシーに乗ることが多いです。中国のタクシーは日本よりも料金が安くて、アプリで手軽に配車できるんです。
日本には、電車も、レストランも、コンビニも皆さん制服なので最初は驚きました。レストランの制服はかわいいものが多いですよね!
------------朔さんのご出身の北京はどんなところですか?
S:北京はオリンピック開催以降は観光客に向けた街づくりをしていいて、観光の方も増えた様に思います。映画「ラストエンペラー」のパッケージにもなっている天安門はやはり一見の価値があると思います。
W:北京は首都であり一級都市なので中国国内でも憧れの土地だと思います。日本でいうところの東京のようなところです。
------------おススメエリアを教えてください
S:広州です。オシャレだし、先日も出版サイン会で行ったんですが、本屋さんが多い、雰囲気のいいところです。暮らす人のライフスタイルもゆったりしていて優しいイメージです。
------------どんなファッションが好きですか?
S:ゴシック系のファッションが好きで色はモノトーンが好きです。
レースとかドーリーなものが好きですね。
元々日本のヴィジュアル系バンドが好きで、そのロマンティックで少女漫画みたいなファッションに影響を受けました。ファンタジーのエレメント。中学生の時にPVを見て漫画の人が現実にいた!って驚きました。
でも当時中国にはそんなそういったファッションが好きな人は周りにいなくて、BBSで交流してました。今は増えたと思います。
------------今日のファッションもかわいいですね!
S:おもしろいテーマのものが好きです。
今日もハンテンの形のアウターを着ています。
------------今の中国の女の子のファッショントレンドは?
S:昔はみんなタオバオ(アプリ)を使っていて、ハイブランドとか、流行の同じスタイルを載せている人が多かったんですが、今は中国の若いデザイナーもたくさん出てきてファッションも面白くなっています。
今は「カッコいいと可愛いの中間」のテイストが流行っています。
漢服のブランドでも、今はかわいいおしゃれな服が増えてますね。
W:中国のファッションも今は個性的になりましたね。
新しいブランドがどんどん出てきてていて、今はスタイルも多様化しています。
S:日本の高校生の制服はスカートが短くて驚きました!
中国の制服はジャージの場合が多いんです。
そのジャージを80年代とか90年代テイストにアレンジしてかわいく着こなしている学生が多いです。ジャージの下にカラフルなルーズソックスを履いて、ジャージの裾から見せるレイヤードスタイルがすごく流行っています。靴はスニーカーで。トップスもレイヤードにするのが流行ってます。
W:みんな自分でアレンジして個性を出していますね
------------今、中国で今はやっている音楽は?
S:トレンドとしてはCITY POPが人気ですね。
------------日本のアーティストはどうですか?
S:山下達郎さんとか流行ってます。日本のアイドルも変わらず流行っています。
------------北京のカップルはどんなところでデートするんですか?
S:映画とか、美術館とか、おいしいもの食べたり、は日本と同じだと思いますが最近SNSで見たんですが、「法廷デート」が面白いな、と思いました!
------------学生時代はどのように過ごしていましたか?
S:北京の学生は勉強する時間が長くて。家でも宿題を毎日していました。
------------北京の高校生はアルバイトをしないと伺いました!
S:しないです。勉強しないといけないので時間がなくて。高校生がアルバイトをする、という発想があまりないですね。
大学生になるとすることもありますが大抵は家庭教師です。
私だったらアート系とか、学校の専攻にあったアルバイトをすることはありますが日本みたいにカフェなんかでアルバイトするといったことがあまりないんです。
でも日本のカフェのかわいい制服に憧れていて、北京で日本語の勉強をしていたころ「アルバイトの時に使う日本語」も勉強していました。使うことはなかったですが(笑)
------------遊んだり恋愛してる時間もないのでは??
S:はい。中国で大学生になっても親から恋愛はダメ、と言われることが多いです。ところが大学を卒業するとすぐ結婚しなさい、と言う親も少なくはないです。高校、大学、結婚は一連の流れのようになっているようなところもあります。時代にもよるかはと思います。
◆北京の女の子の下着事情について教えてください!
------------中国では女の子のファーストブラはいつごろから?
S:中学校1年生くらいかな。お母さんから与えられます。最初はやっぱりスポーツブラですね。
------------はじめて自分で下着を買ったのはいつ?
S:私は高校を卒業してからくらいでした。
百貨店のいいブラは高くて買えないのでお母さんと一緒に行って買ってもらったりしてました。でもやっぱり北京の高校生は勉強に追われてゆっくりお買い物する時間はあまりなかったと思います。
自分で買うときは原宿みたいなところとか、渋谷の109みたいなところがあってそこで買ってました。
------------インターネットで下着を買うことはありますか?
S:試着しないとサイズが合わないのでまずはお店で買ってからですね。
お店の方と相談して買います。
------------お店では採寸、試着もしますか?
S:はい。します。
------------下着を選ぶポイントは?
からだにフィットするか、肌に色が合うかで選びます。
あと中国の人はよく手触りを確かめます。触って素材や品質などを確認します。
W:それうちの母も必ずやります!綿素材が好きな方も多いですね。
------------日本ではバストを盛るタイプのブラが人気ですが、中国ではどうですか?
W:楽なものを選ぶ傾向で、ブラレットとかノンワイヤーなどナチュラルな造形のものが人気がありますね。最近かわいいデザインも増えてきていて、トレンドのブラレットも今人気です。
------------最近中国で展開をスタートしたAMPHIを今回、着用頂きましたがどご感想をお聞かせください(アウターコーデ、とっても可愛かったです!)
芸術品みたいでかわいいです。ワコールにも私たちに合うもかわいいのがあるんだな、と思いました。レースが大好きな友達がいるんですが、コレクションのひとつになりそう!
〈女の子事情は日本も中国も大差はない!ということのようですね。>
------------「美意識」に関してはどうですか?
自分自身に対するの「美への理解」が昔に比べてはっきりしてきた気がします。昔は、ロリータファッションが好き!チャイナドレスが好き!とはっきり言うのは恥ずかしかったり言いにくかったのですが、今は好きなものは好き、と言えるようになってきたと思います。
S:最近は成分を気にする人も増えました。
前より自分を大切にするようになってきたのかな。
W:食にしてもなんでも、「いいもの」に対する意識が高くなった気がします。
化粧品でも20代からエイジングの意識も高まっていると思います。
S:徹夜しないとか、お酒は控える、とか健康的な生活を送る意識も高くなっていますよね。
W:中国では暖かいものを飲むのが基本なんので、みんな水筒にクコの実を入れたり。漢方もそうですが、内面からからだを整えるという意識はあると思います。男性も化粧品を使うようになってきて、やはり成分はとても気にされていますね。
------------今後の活動についてお聞かせください
S:中国と日本で、音楽メインで活動していますが、これからはもっとライブやパフォーマンスをしていく予定でフェスの準備も進めています!
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静電場朔 Dian(セイデンバサク ディアン)
ポップアーティスト、歌手、アートディレクター、ファッションデザイナー。
中国北京市出身。
2012年、北京から東京に拠点を移し、クリエティブレーベルとして株式会社大宇宙釀を設立。2015年から東京、上海、北京で個展を開き、2017年に音楽ユニット「Question Children(問題児)」を立ち上げ、2018年には「Yellow Magic Carnival (ティン・パン・アレイのカバー、作詞作曲:細野晴臣)」で日本デビューを果たした。東アジアカルチャーをコンセプトにマルチ分野で活躍中。
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Dian(静電場朔)
As a trend artist, her creative field involves illustration, dress, music, image and so on. She has set up a creative unit in Tokyo, Japan called "XL-Universe(大宇宙醸).” and also set up a Music unit called “Question Children(問題児)” in which she plays a role as singer & director. Her personal art exhibitions have been held in Tokyo, Shanghai. She has been working on creating the artistic expression based on East Asian culture as the core concept.