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産婦人科医・高尾美穂

産婦人科医・高尾美穂先生に訊く②
頑張ってきた女性たちへ-「もっと委ねて・・・」

頑張れば報われる…とは限らないよね、と納得できる?

私が、産婦人科医となって同世代の女性を多くを診てきて思うことは、「すごく頑張る人が多い」ということ。2022年現在、40代~50代は1970年代生まれで「努力すれば報われる」という世代でもあるのは 確かです。1986年の『男女雇用機会均等法』以降の社会変化のなかで社会人となり、手を挙げれば可能性があり、「報われるから頑張る」という流れの中で当たり前のように、頑張ってきた人たちです。

でも、産婦人科医の立場からすると、 頑張っても報われない部分があります。たとえば、妊娠できるかどうか、出産方法がどうなるのか、どんな子どもが生まれてくるのか…といったこと。頑張ったところでその通りの成果が出るものでもなかったりするのが、現実です。 (これすら変えることができるテクノロジーも研究されていますが、今は、私は変わらない方がいいかな、と思っています。)

10年後、いまの「頑張るを続ける」ことができていそう?

一方、1990年代以降生まれの20代~30代前半は、仕事を任されるようになって楽しくなって、バリバリやってます!みたいな時期だと思います。自分の人生を俯瞰することはあまりないかもしれません。でも、気がつくと、子どもを産むか産まないかという選択を迫られる年代になっていたということになりかねません。そうなると今まで好きで頑張っていたのに急に燃え尽きたようになってしまう人もいます。

今ピンときていなくても、時々立ち止まって人生を俯瞰してみる習慣をつけるといいですね。とくに子どもを持つかどうかは、しっかり自分に問いかけて、子どもを持ちたいと思う人は早めに行動することが大切と伝えたいですね。

そのうえで、頑張っても叶わない部分ってある、そこを納得することが女性がすこやかに生きるカギになってくると思います。その場で頑張ることも大事だけども、「頑張るを続けられる」ことがもっと大事だと思うから。

ここちよく生きる人は委ねられる存在を持っている

頑張り屋の女性にこそ、自分で頑張るのも大事だけど、人に頼るのも大事という考えを持ってほしいんです。人に頼るということは、信頼できる存在をつくるということです。たとえば仕事であれば任せられる関係をつくったり、生活のことであれば、専門家やプロに相談して、何かを委ねるのも賢い解決法だと思います。

ボディメイクであれば、運動も大事だけど、体にあったインナーを選ぶのもすごく大事なわけですよね。
女性が身に着けるインナーは、一体化して自分自身になります。信頼できるプロがつくったインナーであれば自信をもって身に着けられる、そのプロを選んでいる自分にも自信がもてます。『ワコール』がそんな頼れる存在になれればいいですよね。

信頼できる誰かに、自分の大切にしたい思いというものを知ってもらって、委ねることで、なりたい姿に近づいていくというのが、女性にとっては楽しみのひとつになるんじゃないかなって思っているんです。