R&Dのオープン化

■下着の研究から「からだ」の研究へ

当社の業種は下着の製造販売ですが、常にその枠を超える事を考えています。古くは1984年1月1日の主要新聞には「からだ文化産業」になるという全面広告を出しています。
今流の言葉でいえば「からだに関する問題を解決するソリューション産業である」という宣言だと思っています。そして、それは今も綿々とつづいている考え方です。

■「からだ文化研究プロジェクト」の開始

ワコール人間科学研究所は設立から半世紀以上にわたって毎年からだの計測を続けており、その中には30年以上同じ人を計測した時系列データがあります。そして、そのデータを詳細に調べていくと、年を重ねても体形を維持したヒトには、共通した運動・食事特徴がある事が浮かび上がってきました。
こうしたデータは、実は下着だけでなく運動やサプリを含んだ生活全般の商品開発に役立つはずだと考えており、こうしたデータや知見を元に大学や複数の企業が同時に共同研究をするようなプロジェクトを開始しています。

■日本式共同体型の場つくり

文部科学省の調査によると日本の研究人材は人口10万人あたり126名と世界2位(1位は韓国)で、その70%が産業界で活動しています。
こうした日本の豊富な研究人材が融合する場があれば、日本の研究開発力はもっともっと発揮されるのではないでしょうか?
今回のプロジェクトにはそうした期待もあり、企業のみでなく大学や学生、さらに将来的には消費者までもが研究開発に参加できる場として考えています。

■新しい技術を育むエコシステムに

研究者とユーザーが集まる場は、必ず新しいニーズと技術を生みだす場になると思っています。
実際に、このプロジェクトに参加している北九州のベンチャー企業などは、このプロジェクトで複数の産業と交わる事で、元々持っていた技術の新しい用途が生まれてきています。
ひとつの企業の利益だけを考える事なく、培ってきたノウハウをオープンにする事で、それが社会の中で循環しながら成長する・・そんな事ができたら未来の研究組織のありかたが見えてくるのではと考えています。

人間科学研究所 所長 今井