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睡眠の法則

  • 毎日を充実させる睡眠の法則132

    ●睡眠の法則

    毎日を充実させる睡眠の法則132

ストレス反応を減らす働き方


「ストレスで眠れない」ということを
耳にすることが良くあります。

今回は、
眠りをさまたげるストレス反応を起こさない方法について、
お話しします。


日常的にストレス反応が生み出されるのが、
「作業の中断」です。

私たちが何かの作業を始めると、
まずアドレナリンが上昇してやる気が起こります。
作業を続けていて疲れてくると、
ノルアドレナリンが上昇して、
脳を目覚めさせて集中を保とうとします。

このタイミングで、
人に声をかけられて作業が中断すると、
予想外の事態に対応するために
体に負荷がかかり、
それによって、細胞に炎症反応が起こります。
この炎症反応を抑えるために、
抗炎症作用をもつコルチゾールが上昇します。

これが、
「イラっ」とするメカニズムです。

でも、
誰にも邪魔されずに
作業に没頭できる環境をつくることは、
現実的には難しいですよね。

問題は作業を中断させられたことではなく
その前に疲労していたことにあります。

疲労しているのに
ノルアドレナリンを増やして無理に作業を継続しようとする。
これが、次の刺激へのストレス反応を生み出しています。

そこで、
そもそも疲労する前に、
作業を区切ってしまう、という対策をとってみてください。

ポイントは、
受動的に作業を区切られることなく、
能動的に区切ることです。

まず、
作業の1単位を15分に設定します。
なぜ、15分かというと、
脳は、16分に1回の頻度で、
思考がさまようマインドワンダリングという現象が起こり、
作業とはまったく別のことを考えてしまうからです。

15分作業をしたら、
その作業が途中でも、
ぱっと席を立ちます。

vol131_ストレス反応を減らす働き方
席を立ち、
股関節が使われると、
筋肉によって血流が促されて、
脳の血流量が回復します。

目線がモニターや書類から外されて、
遠くを眺める視点になれば、
脳の働く領域が切り替わり、
作業中の負担は軽減します。

20秒程度でも休憩をして作業に戻れば、
また、作業に集中しやすくなります。

たった20秒の休憩だとしても、
実際にやろうとすると、
「せっかくはかどっているのに中断するのはもったいない」と
感じるかもしれません。

ただ、
能動的に作業を区切ったか、
受動的に区切られたかでは、
その後の作業に大きな違いが生まれます。

意図せず作業を区切られたとき、
再び作業に戻ると、
「えっとどこまでやったんだっけ?」と
作業再開の個所を探すという手間が生まれます。

この手間に、1日30分程度とられている、という調査もあるほどです。

一方で、
能動的に作業を区切ると、
再開箇所はすぐに分かります。

20秒の休憩をはさめば、
30分の時間が手に入る。
こんなふうに考えて、
能動的に作業を区切ってみましょう。

仕事を終えて帰宅した後、
どっと疲れてしまうのが軽減していたら、
あらゆる場面で使ってみましょう。


菅原洋平 菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。

あなたの人生を変える睡眠の法則2.0
著書:あなたの人生を変える睡眠の法則2.0

イラスト/菅原洋平
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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