生理(月経)ではないのに、下着に付いて目立つことがある「おりもの」。日によって形状や色、においなどが違っていて心配になることはありませんか。
おりものは生理周期や体調、個人差によって大きく異なります。正常なおりものやにおいについて気になることをまとめてみました。
月経周期や体調で変化するおりもの
おりものは腟に存在する分泌物。月経周期によって変化します。排卵期には「卵の白身のような」と表現されるような、ねばねばとした半透明のおりものが見られます。月経直後の2~3日は腟に残っている経血が混じり、茶色いおりものになります。これらは正常な状態のおりものです。
腟は常に酸性に保たれており、雑菌が繁殖することを防いでいます。正常なおりものは、ヨーグルトのような酸っぱいにおいがします。しかし、過労や病気のせいで常在菌(もともと存在している雑菌)を抑える力が弱まると、雑菌が増えて腟炎などを引き起こすことがあります。このとき、おりものの量やにおいに変化が見られることがあります。泡状・水っぽいなど状態に変化がある、または強いにおい、色の変化などが異常のサインと考えてよいでしょう。以下は、代表的な異常サインです。
「カッテージチーズのようなボロボロとしたおりもの」は、カンジダ腟炎・外陰炎の疑いがあります。カンジダは常在菌でカビの一緒。抗生剤の服用や過労などからだの抵抗力が低下すると増加して、炎症を起こします。強いかゆみが特徴です。
「ピンクや茶褐色の場合」は、月経直後でなければ不正出血のサインです。子宮になんらかの異常がある可能性があります。排卵期出血といって、エストロゲンが排卵時期に減ることで出血することもあります。
「黄色や緑のおりもの」は細菌性炎症のしるしかもしれません。大腸菌やブドウ球菌など一般的な雑菌が繁殖しておこる腟炎です。数日続く場合は、婦人科で腟の洗浄と腟錠投与をします。ただし、トリコモナス腟炎や淋病など重篤な場合もあるので、婦人科にかかりましょう。
参考:高尾美穂著『オトナ女子をラクにする心とからだの本』(扶桑社BOOKS)
おりものに悩む年代と深刻度を調査した結果もあります。
※ワコール調べ(10代~60代女性 8358人、2023年1月)
おりものの量や状態に関しての悩みは、20代がピークであることがわかります。これは女性ホルモン分泌のピークと重なる年代でもあります。40代後半の更年期以降からはおりものの悩みが少なくなっていきます。