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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則3
規則正しく就寝時間をそろえる習慣って実はマチガイ!?
規則正しく就寝時間をそろえる習慣って実はマチガイ!?
私たち日本人は、小さい頃から「早寝早起き」をしなさいと教育されています。
その影響なのか、「規則正しい生活をしましょう」と言われると
「就寝時間をそろえよう」とする人が圧倒的に多いのです。
でも実は、この考え方では睡眠のリズムが乱れてしまうことがあります。
脳は、朝の光が網膜から届けられると
その16時間後(子どもは14時間後)に眠くなる仕組みになっています。
つまり、朝のタイミングで夜の眠気がつくられるのです。
就寝時間ではなく起床時間をそろえるのが正解
普段、朝6時に起きている人は、6時に脳に光が届けられると、
その16時間後の夜10時ごろに眠くなります。
しかし、週末に朝10時ごろまで寝だめをしたとします。
すると、その人の脳が次に眠れるのは、
朝10時の16時間後の夜中の2時になります。
日曜日など寝だめをした日の晩は、
「そろそろ眠る時間だな」といつも通りの時間に就寝しても
なかなか寝つけないことがあります。
私たち人間の脳は、起きる時間が遅れると、眠れる時間も遅れる仕組みなのです。
ですから、目指すべきリズムは、就寝時間ではなく起床時間をそろえることです。
起床時間も就寝時間もそろえることは、現実的にはとても難しいです。
そこで、起床時間をそろえて就寝時間をバラバラにするリズムを
目指してみましょう。
起床時間がそろえば、いつも眠くなる時間もそろいます。
眠くなったら眠れば良いですし、
何か用事があったり、仕事があって就寝が遅くなっても
眠気がつくられていればちゃんと眠れます。
起床時間をそろえた上で、就寝はスケジュールに合わせて調整するのが
現実的な目標です。
まずは起床時間の差を3時間以内にする
週末に寝だめをする習慣がある人が
いきなり起床時間をそろえるのは、かなり大変だと思います。
そこで、まずは起床時間の差を3時間以内にすることを
目標にしてみましょう。
というのは、起床時間の差が3時間以上ずれると、
ちょっとイライラしてきたり、やることが億劫になることがあります。
逆に起床時間の差が3時間以内の人に、
メンタルが不調な人はとても少ないです。
寝だめをして起床を遅らせることは、脳にとっては疲れをとるどころか
ダメージを与えてしまうことになります。
普段朝6時に起きている人は、週末には朝9時までには一旦起きてみる。
これを目標にして、徐々に起床時間の差を少なくしていけば、
脳に無駄なダメージを与えることを防げます。
菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
イラスト/菅原洋平
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