めざせ快眠美女！

パジャマルックが流行している。

　最近ジャージを着て寝る人が増えているそうです。非常時への備えの一環なのでしょう。それならばと「外出できるナイトウェア」を探してみると、軍物パジャマというジャンルを発見。70年代のギリシャ軍のナイトジャケットなど、かなりマニアックですがお洒落度は高いです。ホテルのベッドルームに見立てた演出で、パジャマやネグリジェのようなルックを披露したルイ・ヴィトンの秋冬コレクションも記憶に新しいところ。
　パジャマ自体がトレンドなら、アウトドアもパーティもパジャマでいいじゃない！ということにもなりかねませんが、世界市場的には今、ナイトウェアの位置づけは過渡的な状況。そんな時代だからこそ、ユニークな提案に出会えるチャンスが多いのかもしれません。秋冬のインポートランジェリー展示会も、セクシーなナイトドレス（byマルジョレーヌ）あり、コートのようなナイトガウン（byノタ）ありで、百花繚乱の楽しさでした。

　寝るときに何を着ようかと真剣に悩んでいると眠れなくなりそうですが、ナイトウェアや睡眠の質にこだわる女性のためのホテルプランがあることをご存じですか。その名も「快眠（ねむ）れる森の美女宿泊プラン」。ぐっすり眠り、すっきり目覚めることを目的としたエクスクルーシブなサービスを追求。眠れる森のような閑静な洛北に位置するグランドプリンスホテル京都で、8月31日まで体験できる限定プランです。
　睡眠時のからだの特性研究から開発されたワコール「睡眠科学」のシルクサテンパジャマに加え、睡眠の質を高めるねむり時間計とハーブティーが用意され、ベッドは一流ホテルに採用されているシーリー社製。バーで楽しむ安眠カクテルや「眠れる森の美女エステ」のオプションもあるらしい。光沢が美しいシルク100%のパジャマは、肌に近い天然素材のため吸水性と放湿性に優れ、一度肌が知ったら離れられなくなりそうです。

美しくなるナイトウェアって？

　快眠素材の王様がシルクなら、いま気になる女王様的な快眠素材は、丁寧なものづくりから生まれるナイトウェアブランド「イローヴ」の二重ガーゼ。何も着てないかのような軽くやわらかな風合いということですから、梅雨時も快適に過ごせそう。マリリン・モンローが「何を着て寝るの？」と聞かれ「シャネルの5番よ」と答えたエピソードは有名ですが、裸で寝る勇気はなくても、裸に近い感覚なら気軽に挑戦できますね。
　同様に、ナイトウェアでそのまま外出とまではいかなくても、着替えずにそのまま過ごしたり、朝食を楽しむという選択肢はあり。深い眠りから自然に目覚めたお天気のいい朝、ルームサービスのブランチをテラスでゆっくりいただくのは、ホテルライフには欠かせない快楽。そんな心のゆとりは最強の美容法といえるのではないでしょうか。ナイトウェアは「美しく満たされた私」を包む至福のモーニングウェアでもあるのです。

　朝食を自分で用意するなら、とりあえず美味しいパンと飲み物。肌への触感と同様、朝いちばんに口に入るものの食感は、意識して選びたいですね。表参道駅から5分のベーカリー「パンとエスプレッソと」の「ムー」（フランス語でやわらかいという意味）は、シルクに形容されるバターたっぷりの食パン。きめこまかくしっとりしていて、そのままでも美味しいし、厚切りをトーストすれば、さっくりバターの香りがたまりません。
　からだに直接ふれる素材は、本能に直結し、体調に影響を与える大事なもの。多忙な日々の中、適当なウェアで仮眠し、寝不足のまま、あたふたと家を出なければならない朝もあるかもしれません。でも、せめて週に1日、ぐっすり眠ってプチリゾートタイムを過ごせれば......。お気に入りのホテルに滞在する余裕がなくても、自分のために、少し贅沢なナイトウェアと朝食を用意することくらいはできそうです。