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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則125
昼間にこんなに眠いのって大丈夫?③
前回は、
場の状況によって生じる眠気についてお伝えしました。
今回は、
睡眠時間も確保しているし、
集中できる環境になっているはずなのに
眠くなってしまう場合、
「生理的な問題によって起こっている眠気」かもしれません。
注意すべきポイントについてお伝えします。
Q:居眠りしてもまだ眠い?
居眠りをしたらスッキリして、その後は眠気を感じなくなるならば、睡眠の量が不足しています。この場合は、短時間眠ってしまえば、その後の時間は集中して作業ができるので、意図的に眠くなる前に短時間仮眠をすることで、眠気を起こりにくくすることができます。
居眠りをして、わずかながら睡眠時間が補われたはずなのに、目覚めた後もまだ眠い。さらに、また居眠りを繰り返してしまう、という場合は、生理的な睡眠に問題が起こっているかもしれません。
ただ、居眠りの仕方が悪いこともあります。眠気があるのに、我慢して作業をし続けると、居眠りをした後も、眠気が残るようになります。眠気にあらがった挙句に居眠りをするのではなく、積極的に仮眠をとるようにしてみると、眠気を解消することができる場合もありますので試してみてください。
Q:眠い時間帯があるわけではなく、常に眠い?
私たちの脳は、睡眠物質がつくると考えられている睡眠―覚醒リズムによって、1日に2回眠くなります。これは反対に考えると、1日に2回しか眠くならないはずです。起床8時間後にくる眠気は、長くても1時間程度で過ぎ去り、その後は眠気を感じなくなります。
朝から就寝前まで変わらずに眠い、午前も午後も同じように眠い、という場合は、睡眠-覚醒リズムが乱れています。
睡眠-覚醒リズムを整えていくと、次のような順番で変化が表れます。最初に夕方の眠気がなくなり、就寝前に強い眠気を感じるようになります。その後、午前中の眠気がなくなり、午後だけが眠気を感じるようになります。最後に、午後の眠い時間帯が短くなっていき、眠気を感じても30分程度で眠気が過ぎ去るようになります。
いかがでしたでしょうか。
睡眠の量や質が足りていて、環境も整っているのに強い眠気に襲われることがどんな時間帯でも繰り返される場合は、病院での治療を受ける対象になるかもしれません。
受診の検討をされる場合は、日本睡眠学会のHPから、専門医療機関を調べてみてください。(https://jssr.jp/files/list/2023nintei_kikan.pdf)
このコラムでは、眠気を解消するために自分でできる方法を紹介しています。これらの内容は、現在治療中の人にも実践していただいています。脳や体の働きが改善すれば、治療の効果も上がりやすいです。眠気に関する病気を指摘されたことがある人や、現在治療中の人でも、ぜひお試しください。
菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
著書:あなたの人生を変える睡眠の法則2.0
イラスト/菅原洋平
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