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睡眠の法則

  • 毎日を充実させる睡眠の法則129

    ●睡眠の法則

    毎日を充実させる睡眠の法則129

「その一言が不眠を生む!?」


眠れないトラブルを抱えるきっかけは人それぞれですが、
意外に多いのが、「世間話」です。

①「最近、よく眠れないんだよね」と話題にしたところ、
「ずっと布団の中にいればいずれ眠れるよ」と言われた。


vol129_その一言が不眠を生む!?
こんな些細な会話から、
眠っていないのに布団の中で過ごすようになった、
という話を聞くことが多いです。

脳は、場所と行為をセットで記憶するため、
眠れないのにベッドの中で
例えば、チャットの返事をチェックしたり、
動画を見るなど心拍数を上げるような行為をすると、
脳が「ベッドの中では心拍数を上げる」と学習してしまい、
ベッドに行くたびに、
心拍数が上昇するようになってしまいます。

これで、
眠れなくなることがあるのです。

そうなってしまった時の対策は、
15分眠れなかったらベッドを出ることです。
脳は、15分眠れないと1時間は眠れません。
それは、本人の性格とか考え方とは関係なく、
内臓としての仕組みである。
そう考えて、淡々とベッドを出て、
眠くなったらベッドに入る。

それを繰り返して、
眠らずにベッドで過ごす時間を削っていきます。


②「あなた寝過ぎよ」と言われた。

睡眠は、遺伝子や年齢やこれまでのライフスタイルで異なります。
人とは違う睡眠を比べること自体、意味がないことですが、
世間話で、睡眠を比べ合う話題が多いのは事実です。

それは、
睡眠が、覚えていない現象であることに由来しているかもしれません。

自分の睡眠を覚えていないので、
自分が「正しく眠れているのか」を他人と比べてしまう。
そんな中で出てくるセリフに、
「あなた寝過ぎよ」という言葉があります。

睡眠時間が短い人ほど、
他人と比べるセリフを言う傾向もあるようです。
もしかしたら、
「短時間睡眠の人ほど優秀である」とか、
「短い睡眠時間で長い活動時間を得ているほど人生が豊かである」という
古くからの考え方が影響しているのかもしれません。


「あなた寝過ぎよ。私は6時間眠れば充分よ」と言われたことがきっかけで、
自分が「正しく眠れていない」のではないか、と気になるようになると、
眠ることに構えてしまい、
ベッドに入ろうとするだけで心拍数が上昇するようになってしまいます。

そうなってしまった時の対策は、
就寝前に、猛烈に眠くなるリズムをつくることです。

・朝は目覚めたら窓から1m以内に入り、夜は天井の四隅が明るく見えない程度に暗くする
・昼は、眠らずに過ごし、仮眠をしても30分以内にする
・夕方は、スクワット10回程度の運動をする
・就寝前は、ホットアイマスクで心拍数を下げる

これらのうち、
就寝前に眠気が強くなる効果があると感じられたものを、
2週間継続して就寝前の強い眠気をつくりましょう。

世間話がきっかけで眠れなくなったら、
睡眠の基本原理に立ち返ってみましょう。

睡眠は、生理現象です。
そして、行動の目的ではなく、行動の結果です。
生理的な仕組みを知り、それを促進する行動をとった結果として得られるのが睡眠です。


菅原洋平 菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。

あなたの人生を変える睡眠の法則2.0
著書:あなたの人生を変える睡眠の法則2.0

イラスト/菅原洋平
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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