22 July, 2019
vol.4-3 陶磁器デザイナー/陶板画作家SHOWKOさん
interview
SHOWKOさん〈SIONE(シオネ)ブランドデザイナー・陶板画作家〉
ワコールと同じ京都の地で長年受け継がれた伝統のDNAを背景に、アクティブに、フレキシブルに活動の幅を広げ続けSHOWKOさん。今回は、 陶磁器プロダクト〈SIONE〉とは違った、陶板画作家としての活動について伺いました。
--------------------最近のSHOWKOさんのアートワークで、京都のアートホテルのお部屋を拝見しました。
SHOWKOさん(以下S):はい。「千年の時差」をコンセプトに2部屋プロデュースさせて頂きました。
ひとつは2019年設定の真っ黒なお部屋。
もうひとつは千年後の3019年設定の真っ白なお部屋です。
-------------------3019年のお部屋に飾られていた、割れたような作品が印象的でした。
S:はい。最近は作った作品を一度割り壊して継ぎなおすという作品をつくっています。
焼き物は作った瞬間からその歴史が始まりますがそれが風化するまでには何万年もかかると言われています。
現存している縄文式土器も、何年先までその形状を保っていられるかはわかりませんが今は大切に保存されカタチあるものとして存在しています。
そう考えると“残るもの”を作ることに対しての責任を感じることもありましたが
最近は「作品は私よりも永く生きるかもしれないんだなぁ」と考えるようになって。
それから「時代を浮遊するような作品」を作りたいという考えに至りました。
-------------------それがあの作品なんですね。
S:一度壊れて再生したものにまた新しい価値が付与されるような作品をつくりたいと今は思っています。
-------------------今後についてお聞かせください。
S:やりたいことはたくさんあるんですが、今お世話になっている職人さんたちの中で後継者問題が多くて。
職人さんと次世代の方々を繋ぐ役目を果たせればと思っています。
今はSNSなどで簡単に繋がれる半面、趣味や職業の選択肢が多くなって、焼き物との接点が持たれにくくなっているように感じます。
だから私の活動を通じて多くの方が焼き物と出逢う場をつくることができたらと思っています。
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SHOWKOさん
京都出身。330年続く京都の茶陶の窯元に生まれる。
佐賀での修行の後、2005年より自身の工房「SpringShow Studio」にて独特の技法での陶板画制作をはじめる。その後、デザイナーとして平面の構成・デザインに携わり、他業種の経験をもとに、プロダクトの可能性を探求。2009年10月同年ブランド「SIONE(シオネ)」を立ち上げる。2019年より河原尚子から「SHOWKO」に改名。SHOWKO名義としての陶板画制作、プロダクトデザイン、ブランディングや茶会などを通じて、現代に添ったもてなしの文化を創っている。
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