上田さん 母娘
上田さん(娘) : そうなんです。就職をどうするか悩んでいたときに、母から「ウチ(ワコールマニュファクチャリングジャパン長崎工場)で働いたら?」と声をかけてもらいました。
上田さん(母) : 娘は手先が器用だったのもありますが、ワコールのように福利厚生がしっかりしている会社に入ってほしいと思っていたんです。それに、手元に置いておきたいという親心も......。
上田さん(母) : そうですね、親子や親戚、夫婦で働いている人は結構います。じつは義姉と姪もワコールで働いています。
上田さん(母) : 私はいま「職長」という立場にいて、フロアの縫製の全ての指揮をとっています。縫製はもちろん、使用する糸や縫い幅の指定、1日にどれだけの数を縫い上げるかの生産目標を各班に共有しながら全体が滞りなく流れるように管理する......そのようなことが仕事です。
上田さん(娘) : 私はブラの縫製班で、カップを縫製する担当をしています。高い技術がいる工程です。
上田さん(娘) : 職場が一緒でも私と母は別フロアなので、ないですね。でも、たまに「この工程でここが縫えない・・」って悩みを相談することはあります。
でも、母からは「縫うしかない!」って言われてしまうのですが(笑)
家も職場も同じ場所にいるぶん、家で仕事の話はなるべくしないようにはしているんですけど。
上田さん(母) : フロアが違って良かったと思います(笑)自分の娘の仕事ぶりを常に部下として見るのはヒヤヒヤしちゃいますので!
上田さん(娘) : 私の班担当の職長が他にいらっしゃるので、工場内で母と絡むことはほぼないんですが、作業の全部を把握して指示が出せる職長という立場で仕事をしている母を尊敬しています!身体に気をつけてこれからも職長を続けてほしいです。
上田さん(母) : 最初はなかなかうまく縫えずに苦労したこともあると思いますが、めげずによくがんばっていると思います。働きやすい職場なので、ずっと続けてくれると嬉しいですね。
櫨本(はぜもと)さん
できあがった製品は全て検査されますが、そのなかからさらに抜き取りで検査をする仕事をしています。不良品が外に出てしまうのを防ぐ最後の砦です。ブラはもちろん、ガードルやボディスーツ、工場で製造するあらゆる製品をチェックします。
はい。入社当初から検査を担当しています。ただ、製造に関する一通りのことは指導してもらえるので、検査班とはいえどもミシンを踏み縫製もできるんですよ。
検査は決められた手順で正確にチェックしていく仕事です。こだわりはとにかく見落としなく細かくチェックすること。一次検査を潜り抜けた不良を発見しないと、不良品が工場外に出てしまうので、最後に食い止められる砦は私だと思って仕事をしてます。
ランチの試食や工場内の細部まで見学!
オドロキの技術やアイデアが盛りだくさん!
日替わりのメニュー2種類からその日のランチを選ぶことができます。
取材日はちゃんぽん麺を使った明太パスタなど、
長崎らしさを取り入れたメニューも。
ハロウィン当日には、おばけハンバーグが登場したそうですよ!
その他にも白米と雑穀米が選べたり、
お味噌汁の味噌の種類が豊富だったりと、
女性にうれしい真心がいっぱいです。
仕事の緊張をほっと緩ませるランチタイム。
あちらこちらで談笑する声が響き、笑顔があふれるひとときです。
工場の出入り口には日替わりで
近所の農家や養鶏場の方々が販売にやってこられるそう。
新鮮な食材を職場で購入できるなんて、羨ましい!
こんな福利厚生は長崎工場だけです。
京都の本社にも来てほしい!
工場が位置する雲仙市からほど近くに、諌早市とを結ぶ諫早湾干拓堤防道路が走っています。
ほぼ8kmの直線道路の両脇には美しい干潟と海が広がり、息を飲むほど美しい朝焼けや夕焼けを見ることができました。
電車好きにはたまらない島原鉄道のワンマン電車。
黄色いレトロな車両がとってもフォトジェニック。
取材後はこれに乗って、車窓から見える海諫早湾を眺めて帰りました!
※対象:九州ワコール製造株式会社(現:株式会社ワコールマニュファクチャリングジャパン)、社員10代〜60代
「ある」と答えた方はどんな部分、どんな時に思いましたか?
ワコールマニュファクチャリングジャパン長崎工場を見学して感じたのは、まず「ほとんどが手づくりでつくられている」ことへの驚き。普段、お店に当たり前に並んでいるワコールのブラジャーですが、反物の生地から製品になるまでに、こんなに多くの手作業での工程を経ているなんて。
取材をして、強く心に残った言葉があります。
それは縫製大ベテランの教育担当の方が、縫製班のサポートに入っておられたときに聞いた言葉。「自分の工程をきちんと完璧な状態にして次の工程に送らないと渡された次の人が縫いにくい。なんとか辻褄を合わせて次の工程に送ってしまったら、次の人が前の工程のフォローをして縫わないといけないので、最終的に綺麗に仕上がらない。だから1つ1つの縫製工程が完璧じゃないとダメなの」という言葉を聞いて、"ああ、素晴らしい。うちの会社の工場は本当にプロフェッショナルの集まりだ!"って思いました。
また、同時に自社工場であることの納得も。デザイナーが描く複雑で繊細なデザインをワコール製品として実現させるには、"デザインを製品にする高い縫製技術力"と"常に同じ品質でつくり続ける正確さ"が不可欠。
そして、ブラジャーやインナーウエアのデザインはどんどん新しい表現のものが生まれるから、そのデザインを製品化する工場は、止まることなくいつまでも進歩し続ける努力が必要だということ。
取材を終えて、下着売り場でブラを見たとき、集中して作業に取り組む工場のみなさんを思い出しました。
いまお店に並んでいるワコールのブラも、その向こうには工場で、お客様がブラを着けて「キレイ」だと思ってくださるようミシンを動かす縫製のプロたちの真剣な姿があります。