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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則4
眠る前にソファでうたた寝。
気持ちいいけどこれで睡眠の質が台無しに
ソファでうたた寝すると睡眠の質が台無しに
仕事から帰ってきて「疲れた~」と、どっかりソファに座ってうとうと。
こんな気持ちいい時間はありませんが、
ふと目が覚めると目が冴えてしまってその後眠れない、
という経験はありませんか?
実はこの習慣によって、
メーンのベッドでの睡眠の質が台無しになっています。
人間の睡眠には、「睡眠圧」という仕組みがあります。
目覚めている限り脳脊髄液には、睡眠物質が溜まっていきます。
この睡眠物質が溜まった状態を「睡眠圧が高まった」と言います。
睡眠圧が高いほど、その後の睡眠はぐっすりと深くなります。
睡眠圧を使ってぐっすり眠る
睡眠圧の仕組みは、石を飛ばすパチンコをイメージすると分かりやすいです。
ギューッとゴムを引っ張るほど石を遠くに飛ばせる。
睡眠圧も、眠っていない時間が長ければ長いほど、
その後の睡眠が充実するのです。
これは、徹夜明けに眠ったときに経験したことがあると思います。
眠くて眠くてしょうがないところで、ようやく眠ると
夢も見ず「ぐっすり寝たー」という感じになります。
睡眠の質を高めるには、連続して起きている時間を長くすることが重要なのです。
1日の仕事を終えて帰宅したときは、
朝起きてからずっと溜まり続けた睡眠物質の圧力で
パンパンになっています。
この後、眠ればぐっすりと質の良い睡眠が得られるのですが、
ソファでうとうとした瞬間にパッとパチンコの石を放してしまいます。
これで、せっかく1日かけて溜めた睡眠圧がすべて失われるのです。
もったいない。
これでもう、ベッドでは深い睡眠は得られません。
リビングに「そこに座ったら必ず眠る場所」がありませんか?
帰宅してから就寝までに、うたた寝をする習慣がある人は、
「そこに座ったら必ずうたた寝する」という決まった場所があるはずです。
帰宅して、そこに座るまでの行動が無意識に習慣化しているので、
本当に疲れている日のうたた寝は仕方がないにしても、
疲れていない日まで同じように、うたた寝をしてしまうのです。
そこでまずは、休日や比較的元気な日に、
「そこ」に座らないようにしてみましょう。
いつもうたた寝をしてしまう場所に座らなければ、脳は新しい行動を覚えるので
睡眠圧を失う悪い習慣から脱却することができます。
菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
イラスト/菅原洋平
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