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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則55
アスリートの眠り
最近は、会社勤めをしながら、
週末には、マラソンやトライアスロンの大会に出場するといった、
プロ並みにトレーニングをする、
アマチュアのアスリートの方も多くなりました。
通常の人より運動量が多いアスリートが、
からだを回復させるには、良質な睡眠が欠かせません。
アスリートに適した睡眠とは、
どのようなものでしょうか。
効率よく良質な睡眠を得るために、
入浴を重視するアスリートも多いです。
欧米では、ぬるめのお湯につかることが一般的ですが、
もともと入浴文化がある私たち日本人は、
熱めのお湯につかるのを好むこともあります。
筋肉量が多いと、入浴しても、
速やかに深部体温が上昇することが難しくなります。
アマチュアアスリートは、毎日とても忙しい
スケジュールの中でトレーニングをしているので、
短時間で体温を上昇させることができる、
高温の入浴は目的にあっていると言えます。
アスリートは、熱放散の能力が高いため、
入浴時には水分補給を積極的に行う必要があります。
のどが渇いたと感じるのは、
体重の1%程度の水分が失われた状態です。
入浴によってこの程度の水分が失われると考え、
入浴前には、体重×10mlの水分を摂取しておきましょう。
入浴前後に体重を測ることができるならば、
入浴によって減った水分を補給するようにしましょう。
入浴の時間帯は、就寝直前でなければ
睡眠の質に大きく差はみられないようです。
睡眠の質を知るために、
起床時の脈拍を計ってみるのもよいでしょう。
起床後に、仰向けになって手首に指をあてて脈拍を測ります。
時間がないときは、15秒計って4倍すると脈拍が割り出せます。
起床時の脈拍は、睡眠中の自律神経活動の乱れを、
反映すると考えられています。
起床時の脈拍を計測しているアスリートは、
朝から疲れが残っているときには
脈拍が速いと答える人が多いです。
起床時脈拍が遅ければ、
睡眠の質が良かった、と考えられます。
脈拍は、1分間に60から100回程度ですが、
毎日計測してみると、帰宅が遅くなったり出張などで疲れた日は、
何日休むと回復するのか、という指標をつくることができます。
効率よく疲れをとるために、
睡眠をうまく活用してみましょう。
菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
イラスト/菅原洋平
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