すいみんコラム
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    毎日を充実させる睡眠の法則63

睡眠不足だとにおいを感じなくなる!?

睡眠不足だと不快な出来事に過剰に反応する


睡眠不足による脳の影響を調べた実験があります。
この実験では、5日間、1つのグループは、
4時間睡眠のみで睡眠不足状態をつくり、
もう1つのグループは、8時間睡眠をとってもらっています。

実験の最終日に、幸せな表情と恐怖の表情を見せて、
そのときの変化を、脳の活動が記録できるfMRIで解析し、
睡眠不足のグループと、そうでないグループとの違いを、
検証しています。

その結果、睡眠不足のグループでは、
恐怖の表情を見たときに、
扁桃体という部位が過剰に活動しました。

扁桃体は、自分にとって害のある刺激を見つけて、
それに対して対抗する姿勢をつくる役割を持っています。

普段は、前頭葉の内側領域と綿密に連絡をとっていて、
無駄な刺激には反応しないように調整されています。

ところが、睡眠不足のグループの脳では、
この前頭葉の内側領域との連絡が途絶えてしまっていました。
これが、扁桃体が過剰に反応した原因です。

さらに、扁桃体と前頭葉の内側領域との間の連絡が弱くなることは、
不快や憂うつな気分になりやすいことと相関していました。

睡眠不足になると、嫌な出来事に過剰に反応したり、
気分がすぐれなくなることが、
脳の働きからも明らかになったわけです。

嗅覚のトレーニングで扁桃体を正常化する


扁桃体の異常は、私たちの日常の意外なことに関係します。
それは、においです。

実は、うつ病の患者さんは、
においが感じにくくなることがあります。
うつ病では、扁桃体が過剰に働いてしまいます。

扁桃体は、嗅覚と密接に関係していて、
扁桃体に不具合が起こると、
嗅覚にも不具合が起こってしまうのです。

食事のときに、においを感じにくかったり、
普段からにおいに鈍感になっていたら、
睡眠不足による扁桃体の過剰反応かもしれません。

反対に、嗅覚を直接トレーニングすることで、
嗅覚自体の改善を図る試みも行われています。

嗅覚に不具合が生じた人たちを2グループに分け、
1つのグループには4種類の香り
(合成のバラ、ユーカリ、レモン、クローブ)を、
1日に2回嗅いでもらい、
それを12週間トレーニングとして行ってもらいました。

もう一方のグループには、
嗅覚のトレーニングは行いませんでした。

2つのグループを比較したところ、
トレーニングを行ったグループは、
嗅覚テストが優位に改善したという結果でした。

忙しい中では、食べ物のにおいを嗅ぐこともなく、
早食いをしてしまいがちですが、
調理中や食べる前に、においを嗅いで、
具材や調味料の識別をしてみるなど、
日常的に嗅覚をトレーニングすることは、
扁桃体の活動の正常化に寄与します。

入浴中のバスオイルや、
就寝前のリラックスする時間に、
アロマオイルでマッサージをしたり、
香りを楽しむことで能動的に睡眠に臨めば、
睡眠不足も脳の活動も改善できます。

vol.63_においと睡眠

菅原洋平 菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。

あなたの人生を変える睡眠の法則
著書:あなたの人生を変える睡眠の法則

イラスト/菅原洋平
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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