vol.18-3 ミュージシャン坂本美雨さん

1年の終わりに思うこと

ミュージシャンであり、1児の母でもある坂本美雨さんに、下着を軸にお話を伺いました。
彼女の今まで、今、これから。



第一回はこちら
第二回はこちら








-------------------クリスマスの思い出はありますか?

ニューヨークで育ったので、クリスマスといえばキラキラとした装飾の思い出があります。
都市部はきらびやかでとても綺麗。そして、郊外の家が競い合うように飾り付けるエリアがあるのですが、そこの過剰な飾り付けもまた楽しくて、見に行ったりしていました。クリスマスというものを特別視していない家庭で育ったので、今も友人家族と簡単にごはん会をする程度ですが、子どもたちにとってわくわくする楽しい時期であって欲しいなぁとは思ってます。
プレゼントを贈る理由があるというのっていいですよね。

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-------------------美雨さんにとって特別な日の装いとは?

最近前髪を上げてみる時があるのですが、そうするとちょっとキリッと背筋が伸びるんです。この撮影のような美しく女性らしいドレスを着た日は、前髪を上げていつもの母親モードとはちょっと違う自分を楽しみたいですね。ハイヒールを合わせれば更にスペシャル感。娘と一緒の時にはハイヒールはほとんど履かないので、気持ちがガラリと変化するんです。だからこそ、ライブの日はハイヒールを履きます。




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--------------------今年も終わりますが、何か気持ちの変化はありましたか?


今年はきっとみんなそれぞれ激動ですよね。私は音楽や表現を一生やっていく、これが私の仕事なんだという意識が強くなりました。不要不急という言葉がありますが、音楽は不要不急なんだろうか? そこを考えさせられた時期もありました。エッセンシャルワーカーといえば、生死に関わること、暮らしに直接関わってくること。では、音楽はエッセンシャルではないのだろうか。もちろん生死のほうが大事で、そこと競うつもりなんて毛頭ありません。ただ、私は仕事として何らかの形で人に伝えていくということを多分一生やっていくんだと、コロナ禍をキッカケに改めて意識を強くしたんです。
そう思ったのは、音楽や表現を簡単には出来なかったり必要がないのかもしれないと自問自答させられる環境に世界的になったから、かもしれない。そういう環境でも、自分にとって音楽や表現は必要なものだし、きっと必要としてくれる人たちがいてくれているという確信もあったんです。


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ちょうど30歳になる頃、音楽という表現をやめようかと思っていた時期がありました。
介護や保育や、例えばこれから仕事に向かう人の士気が上がるような一杯のおいしい珈琲を提供する、など、もっとダイレクトに人の役に立ったり喜ばせたりする職種につきたいと思っていました。けれどやっぱり、自分の持っている声で、人の役に立つことを意識しながらもう1度やってみようと思い、再スタートしました。
それがちょうど10年前のこと。

そして今40歳になった今年、また同じように覚悟が決まるキッカケをもらえたなぁと思います。30歳の頃と違うのは、ちゃんと生きて毎日しっかりと色々なことを感じながら生活し、人を愛し、ぶつかっていれば、そこまで力まずともこのまま歌っていけばいいんだという気持ちが今はあるんです。それを許してもらった、そう今感じています。





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◆第4回へ続く



今回の企画では、美雨さんにご指名頂いた、美雨さんと親交の深い方々にご参加いただきました!

ライター:柿本真希さん
フォトグラファー:前康輔さん
ヘアメイク:高城裕子さん
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[one piece(スリップ付き):WACOAL DIA WBB・114]

[bra:BBB・555]





坂本美雨さん
ミュージシャン。
5月1日生まれ。音楽に囲まれNYで育つ。1997年「Ryuichi Sakamoto featuring Sister M」名義でデビュー。以降、本名で活動を開始。音楽活動に加え、執筆活動、ナレーション、演劇など表現の幅を広げ、ラジオではTOKYO FMを始め全国ネットの「ディアフレンズ」のパーソナリティを2011年より担当。村上春樹さんのラジオ番組「村上RADIO」でもDJを務める。おおはた雄一さんとのユニット「おお雨(おおはた雄一+坂本美雨)」待望のファーストアルバム「よろこびあうことは」が2020年6月11日にリリースされた。
動物愛護活動に長年携わり、著書「ネコの吸い方」や愛猫“サバ美”が話題となるなど、"ネコの人"としても知られる。
2015年、出産。猫と娘との暮らしも日々綴っている。

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