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睡眠の法則

  • 毎日を充実させる睡眠の法則104

    ●睡眠の法則

    毎日を充実させる睡眠の法則104

「自分の睡眠の合否判定をやめてみる」


睡眠に悩む方には、
「今日も眠れなかったらどうしよう」
「また夜中に起きてしまった。またダメだった」と
不安や焦りを感じる方が多いです。

vol104_「自分の睡眠の合否判定をやめてみる」
睡眠で悩む方の主な問題は、
この不安や焦りです。

寝つけなかったり、夜中に目が覚めてしまったりするときに、
不安や焦りを感じない方はどんなことを考えるでしょう。

寝つけなかった場合、
→「どうせ明日眠れるだろう」
夜中に目覚めてしまった場合、
→「そういえばやりたいことがあったから今やっちゃおう」

と、こんなことを考えます。

この思考なら、
頭で描く正しい睡眠がとれていなくても、
何も問題はなさそうですよね。

では、どうして自分の睡眠に対する不安や焦りが生まれてしまうのでしょうか。

睡眠外来にいらっしゃる患者さんたちからは、
こんな話をよく聞きます。

「昔から5時間程度の睡眠だったんですけど、
7時間とか8時間の睡眠じゃないと死亡率が上がるという記事を見て、
それからどうすれば長く眠れるのかを色々調べて試しているのに
何をやってもうまくいかなくて・・・」

この話のように、
合格点のような基準が設けられると、
それに満たないことへの不安や焦りが生まれます。

望ましい睡眠時間を調べる研究の意義は、
健康でよい睡眠がとれるにも関わらず自ら睡眠を削ることに警鐘をならし、
睡眠の重要性を理解してもらうことです。

自分の睡眠に不安や焦りを感じたら、
まずは、睡眠が目的化していないかを確認してみましょう。
睡眠は、よりよく生活するための1つの手段であって、
目的ではありません。

理想の睡眠をとることが目的化すると、
途端に毎日が息苦しくなります。

自分の睡眠を合否判定することをやめてみましょう。

チェックすべきなのは、
日中のパフォーマンスです。
やりたいことがやりたいようにできているか。
それをチェックして、
不十分ならば、そのパフォーマンスを上げる手段の1つである睡眠を
変えてみよう、このように考えてみましょう。

また、睡眠の改善では、解決策を片っ端から試してもうまくいかないことが多いです。
その解決策が問題なのではありません。その解決策が何を狙っているのか知ることができればうまくいきます。

例えば、
「眠る1時間前に入浴する」という解決策があります。
これは、時間通り入浴するということではなく、
深部体温が起床から11時間後に最高になり、そこから低下することで
眠りに入るというリズムを助けるという狙いがあります。

深部体温が低下する途中で、
入浴によって一旦体温が上げられると、
その反動でより体温の低下は急勾配になり寝つきやすく睡眠の質が向上します。

深部体温リズムというメカニズムが分かっていれば、
入浴をどのように利用すれば良いかが分かり、自分の生活スタイルにフィットさせることができます。

反対に、入浴して時間を置かずに眠ろうとすると寝つけないのは、
はっきりとした原因があって結果が出ただけなので、
それを合否判定する必要はありません。

他にも。起床11時間後にスクワット10回程度の運動を
週4回以上行うことができれば、
深部体温リズムを強調することができます。

「なるほど、そうすればそうなるのか」と、
体験した感覚をもとに次の行動に反映していけば、
おのずと睡眠は改善していきますし、
不安は遠ざかります。

他人の情報を鵜呑みにするより、
実体験から得た自分の感覚に目を向けてみましょう。


菅原洋平 菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。

イラスト/菅原洋平
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