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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則106
『子供の昼夜逆転を戻すには？』
中学生や高校生になると、
生物学的に生体リズムが遅れていくことが明らかになっています。
また、
性ホルモンが、朝起きるためのコルチゾールというホルモンを阻害するため、
朝起きることにも負担がかかってしまいます。
そんな背景から、
昼間に眠ってしまい、
夜に元気になるリズムになっていき、
昼夜逆転になってしまうこともあります。
昼夜が逆転したリズムを戻す方法があります。
① 「そのままリズムを一周遅らせる方法」
生体リズムは、時間の流れに沿ってうしろにずれていきます。
そのため、時間に逆行して早起きのリズムをつくっていくよりも、
寝坊するリズムの方が簡単につくることができ、
負担も少ないです。
そこで、午前から夕方まで眠るリズムを
昼から眠る、夕方から眠る、というように
さらに遅らせていき、
夜に眠るリズムをつくったところで固定させる方法です。
夜に眠れずに朝になったのに、
その日も昼間眠らずにいるのは負担がかかりますが、
2日で1日眠るようなイメージで取り組んでみるとうまくいくことが多いです。
生体リズムは、
2週間ごとに変化していき、
過半数のリズムに同調していく仕組みです。
割合が多いリズムに同調していくので、
週4日以上が夜に眠れるようになれば、
一旦リズムは安定します。
しかし、
過去の名残のようなリズムが突然登場することがあります。
夜に眠れるようになっていたはずなのに、
急に夜寝つけずに朝から眠ってしまう日が出るのです。
これは、リズムが同調していく過程で起こる現象なので、
このような日が登場することを前提にしておけば、
慌てる必要はありません。
うっかり日中に眠ってしまっても、
また翌日から戻していけば大丈夫。
このように考えて、
淡々と取り組むのが成功の秘訣です。
②「地道に朝起きるリズムをつくる方法」
こちらの方法は、
深部体温リズムを使います。
朝起きられないのに無理に起きる、
夜眠れないのに無理に眠る、というのは
かなり負担が大きいことです。
それに対して、
理想の起床時間の11時間後に
深部体温が最高になるリズムをつくっておけば、
自然に夜に眠くなるようになり、
朝は目覚めやすくなります。
6時に目覚めたければ、
11時間後の夕方5時に何らかの筋トレをして
深部体温を上げます。
深部体温リズムは、
3週間程度経ってくると徐々に動いていきます。
今日運動したから明日起きられる、というような
即効性はありませんが、
一度リズムが動いて朝起きられるようになると
そう簡単には乱れません。
時間をかけてリズムを戻すには、
この方法がお勧めです。
菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック（東京都千代田区）で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる！行動力を高める科学的な方法』など多数。
イラスト／菅原洋平
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