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睡眠の法則

  • 毎日を充実させる睡眠の法則108

    ●睡眠の法則

    毎日を充実させる睡眠の法則108

『睡眠と食事と脳の関係』


「いつもぼんやりする。その原因は?」


睡眠時間は充分とっているはずなのに、
昼間ボーっとする、集中力に欠ける、やろうとしていたことを忘れる、言葉が出てこない・・・。

このように、
はっきりとした眠気ではなく、
頭が冴えない状態は、脳が目覚めている度合いである覚醒レベルが低いということです。

覚醒レベルが低いと低下する脳の機能が
ワーキングメモリです。

ワーキングメモリとは、
必要な情報を一旦脳内にストックし、
別のことに集中しながら必要なときにストックした情報を取り出す機能です。

日常生活はもちろん、
仕事でも趣味でもスポーツでも芸術でも、
あらゆる作業で必要になる機能。

このワーキングメモリが低下してしまう2つの要因があります。

それが、睡眠と食事です。
寝不足でワーキングメモリが低下するのですが、
食事とも関係があります。

飽和脂肪(常温で固形になる油)と単糖類を多く含む食品、
いわゆる欧米型の食事をとり続けると、
ワーキングメモリが低下することが明らかになっています。

vol108_睡眠と食事と脳の関係
食事で脳の機能が低下する、というのは
意外な感じがするかもしれません。

その影響は、糖の調節の障害や中枢神経系のタンパク質と受容体のレベルの低下など
様々ですが、
特に注目されているのが、
脳由来神経栄養因子(BDNF)の低下です。

BDNFは、学習や記憶、特に短期の記憶を司る海馬が関与する記憶機能で
重要な役割をもつたんぱく質です。

BDNFが低下すると、
記憶機能に問題が生じたり、それが発展してうつ症状を引き起こしたりするとも考えられています。

食事でワーキングメモリの低下が起こると、
行動に抑制が効きにくくなります。
欲求を抑えることができなくなると、
噛まずに食べられて消化が早い欧米型の食品の摂取が増え、
またワーキングメモリが低下するという悪循環が生まれてしまいます。

とはいえ、
からだにいい物を食べようとすると価格が高いものになってしまうので、
食事を変えるのはなかなか難しいことです。

まずは、何を食べたら、頭の働きや気分にどんな変化があるのかを
観察してみましょう。

なんとなくぼんやりしている。
いつもやる気が起こらない。
気分にムラがある。

それらは気分の問題ではなく
食べた物の影響と考えて観察します。

「それ」を食べると自分は不機嫌になるかも、というように観察できたら、
実験的に「それ」を控えてみると、変化を観察しやすいです。

ちなみに私は観察しながらこんなことをやってみました。
朝食をパンからごはんに変えてみた。
スープをつくるようにしてみた。
味付けしない食事を一品つくるようにしてみた。
お菓子はクッキーよりせんべいにしてみた。
バターやチーズを控えてみた。
小麦粉から米粉に変えてみた。

少しだけ食事を変えてみると、
頭の働きが悪くなることによく気づくようになり、
パフォーマンスのムラを減らすことができます。




菅原洋平 菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。

イラスト/菅原洋平
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