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睡眠の法則

  • 毎日を充実させる睡眠の法則109

    ●睡眠の法則

    毎日を充実させる睡眠の法則109

更年期には自分の睡眠が「問題だ」と感じる!?


年齢によって睡眠に変化が表れる、ということは、
なんとなく知っていたとしても、
実際に急に寝つけなくなると
気持ちが動揺したり、不安になる方が多いです。

更年期に差し掛かると、
睡眠に変化が表れ始めますが、
それまで睡眠に悩んだことがまったくなかった方ほど、
動揺される傾向があります。

脳は、知らないこと、分からないことに対して、
ストレス反応を生み出します。

反対に、
予測ができていれば
ストレス反応を小さくすることができます。

今回は、
睡眠の変化への予測能力を高めて、
不安を遠ざける方法を知っておきましょう。

閉経移行期から閉経後にかけて
血中のエストラジオール濃度が低下し、
卵胞ホルモンの濃度が上昇します。

このホルモンの変化によって、
血管運動神経症状が起こります。
これが、のぼせやほてり、発汗の原因になります。

この血管運動神経症状が、不眠の原因にもなり、
そして、不眠が血管運動神経症状を悪化させると考えられています。

両者には相関があるのですが、
これを客観的な指標で調査すると違った結果が得られます。

脳波などを用いた睡眠の検査と
皮膚の電気伝導度を用いた血管運動神経症状との関係を調べた研究では、
両者に相関がないという結果も得られています。

これは、
更年期に差し掛かると、
睡眠のとらえ方が変わることが関係していると考えられています。

つまり、
問題なく眠れているにも関わらず、
「問題だ」と感じてしまう認知のゆがみが生じやすく、
それが不安を引き起こし、
血管運動神経症状と不眠を悪化させるということです。

血管運動神経症状、不眠、不安という3つの要素が重なるので、
その1つずつにケアをしていけばよいわけです。

不眠と不安をケアするには
睡眠の記録をとり、事実を把握する方法がおすすめです。

睡眠は、主観と客観にギャップが起こる現象で、
このギャップが大きいほどメンタル不調の要因になります。
主観的な睡眠を記録していくことで
「睡眠感」が養われます。

記録のとり方は、以前もご紹介しましたが、
方眼ノートなどを使用して下図のように20時をスタートとして、
眠っていた時間を塗りつぶし、
ベッドにいた時間に矢印を引く。

ただこれだけでよいです。

vol109_更年期には自分の睡眠が「問題だ」と感じる!?
眠気があった時間帯に斜線を引くと、
昼間眠くて悩んでいる場合も、
眠気の可視化をすることができます。

記録をとってみると、
「全然眠れなかった・・・」という気持ちが、
「朝4時から2時間くらいは眠れた」という気持ちに変わります。

そして、
睡眠そのものを評価するのではなく、
日中の充実度合いを評価します。

「寝つけなければ終わり・・・」という焦る気持ちが、
「眠れなくてもやることはできているし、これだけ眠ければ今夜は眠れるだろう」という
気持ちに変わります。

睡眠を可視化すれば
認知のゆがみを修正することができます。
不安を遠ざけ、
からだの変化にふさわしい睡眠を
つくっていきましょう。




菅原洋平 菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。

イラスト/菅原洋平
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