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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則16
夜のお菓子欲求は睡眠不足のせい!?
寝不足だと夜のお菓子がやめられない
夜中まで起きていると、なんとなく口さびしくなって、
せんべいなどの固い物や甘い物が欲しくなる、という経験はありませんか?
夜、食べてしまう習慣がなかなかやめられないのは、
性格や意志の力のせいではなく、脳の仕組みが原因です。
睡眠不足だと、夜中にお菓子を食べるようになることが
明らかになっています。
4時間睡眠と10時間睡眠でホルモンを比較した研究では、
10時間睡眠をとった人たちと比べ、4時間睡眠の人たちは、
満腹をつくるホルモンであるレプチンが18%減り、
食欲を刺激するホルモンであるグレリンが28%上昇しました。
そして、4時間しか睡眠をとっていない人たちは、
お菓子を食べる行動が30%増加しました。
特に、午後になると空腹感が強くなり、
夜9時以降に最も空腹感と食欲が強くなった、
という結果が出ました。
夜中のお菓子は"食べている"というより、
"食べさせられている"ということになります。
脳の誤った指令だと知る
脳は、連続して起きている時間が長いほど、
消耗してエネルギー不足になります。
20時間起きている状態での脳の働きは、
酔っぱらっているときの、弱度酩酊状態まで低下します。
単に夜更かししていただけだとしても、
脳はこれを「エネルギー不足だ」と判断し、
エネルギーを補給しようとして、
満腹ホルモンを減らして食欲刺激ホルモンを増やすのです。
しかし、実際にはもう眠る時間なのに起きているから、
エネルギー不足になっているだけで、
この時間帯にエネルギーを補給する必要はありません。
この反応は、いわば脳の勘違いです。
夜中まで起きていれば誰にでも起こりますが、
普段から睡眠不足の人の方が、
より強く食欲を感じることが明らかになっています。
まずは普段から、数分でも早寝をして
累積睡眠を稼いでおきましょう。
そして、夜中に小腹が空いたら、
それは脳の勘違いだということを思い出して、
やり過ごしてみましょう。
普段の睡眠量が確保されていれば、
夜中に食べるのをやり過ごすことができます。
睡眠不足と糖尿病の関係も明らかになっているので、
睡眠は生活習慣病の起因になり得ます。
食べる欲求を我慢するより睡眠を増やす方が、
簡単にダイエットできるかもと考えて、
1日15分でも早寝をして累積睡眠量を稼ぎましょう。
菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
イラスト/菅原洋平
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