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睡眠の法則

  • 毎日を充実させる睡眠の法則25

    ●睡眠の法則

    毎日を充実させる睡眠の法則25

「春ホルモン」で五月病対策を

朝の光でホルモンが調整される


だんだんと日照時間が変化するこの季節。
真っ暗だった朝も、徐々に空が白んできて、
日の出が早くなってきたことが感じられます。

この時期に日照時間の変化を感じることは、
実は、私たちのからだにとって大切な意味があります。

vol25_春ホルモン

通称「春ホルモン」を分泌させよう


脳は、網膜から光が届けられると、
体内時計の最高中枢だと考えられている視交叉上核シコウサジョウカクから
ホルモンの分泌に関する命令が出されます。

春を迎える時期に朝の光を浴びると、
甲状腺刺激ホルモンであるTSHβティーエスエイチベータが分泌され、
気圧が低下して気温が上昇していくことに対して、
からだの準備がなされます。
これは通称「春ホルモン」と呼ばれています。

日本のように北半球で暮らしている場合は、
春夏は、気圧が低く気温が高くなり、
秋冬は、気圧が高く気温が低くなります。

私たちのからだは、この気圧や気温の変化に適応できるように、
春夏には自律神経の副交感神経の活動を高めて、
暑い季節の内臓への負担を軽減させます。
反対に、秋冬には交感神経の活動を高めて、
寒さへの対策をします。

これが正しく機能していれば、
季節の変わり目に体調を崩すことは少なくなります。
ただ、脳に季節の変化を知らせていなかった場合は、
自律神経の仕組みによって、体調を崩してしまうことがあります。

五月病対策は2月末から


2月末から日の出が早くなり、
春の訪れを感じるようになります。
ただ、まだまだ寒いので、
朝は布団の中でゆっくりしているという人も多いです。

この時期に、光が変化しているという情報を脳に届けないと、
からだの準備は遅れてしまいます。
4月ごろに温かくなってから、
早く起きるようになるのでは遅すぎます。

からだは準備が遅れた分、
急激に遅れを取り戻そうとします。
副交感神経が急に活動を高めると
その弊害として起こるのが、五月病です。
運動不足、甘いものの食べ過ぎ、日中に眠い、
という状態になります。

これと同じようなことが8月末にも起こります。
日の出が変化した情報が送られていないと、
10月ごろに気分が落ち込む、
冬季うつと呼ばれる状態になりやすいです。
交感神経が急激に働き過ぎて、
イライラ、ドカ食い、寝つきが悪い、早く起きすぎる、
という状態になります。

これらの季節の変化にうまく対応するために
私たちがやるべきことは、とてもシンプルです。

それは、目覚めたら窓から1m以内に入ること。
2月はまだ寒いですが、日の出が早くなってきたら
ベランダなど外に出れば、脳に光の情報を届けることができます。

脳とからだに準備をさせて、
季節の変わり目をソフトに乗り越えましょう。

菅原洋平 菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。

イラスト/菅原洋平
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