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睡眠の法則

  • 毎日を充実させる睡眠の法則29

    ●睡眠の法則

    毎日を充実させる睡眠の法則29

アメを最後までなめずに噛んでいたら睡眠不足!?

睡眠不足かどうかを判断できるサインは?


「自分の睡眠が足りているかどうかを、
簡単に判断できる方法はありますか?」
という質問を受けることがよくあります。

自分の必要睡眠時間は、日照時間や年齢によって変化します。
臨床的には「起床4時間後に眠気がない」ということが、
適切な睡眠時間の基準です。

自分の起床時間の4時間後に、
ちゃんと集中できているかをチェックすれば、
自分の睡眠が足りているかどうかを判定できるのですが、
もっと些細な行動でも、睡眠不足のサインが出ています。

例えば、アメをなめているときに、最後までなめていられますか?
すぐに噛んでしまうという人は、これが睡眠不足のサインです。

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脳を目覚めさせるセロトニン


脳を目覚めさせる神経伝達物質の1つに、セロトニンがあります。
セロトニンは、正確には脳が眠るのを抑制することで、
起きているのを助けるように働いています。
急な出来事にびっくりしないように、
気持ちを安定させて、穏やかに脳を覚醒させています。

睡眠が不足すると、セロトニンが減ってしまい、
起きていることが維持できなくなるので、
うとうと居眠りをしてしまいます。
脳は、この居眠りを防ぐために、
セロトニンを分泌させようと、からだに命令します。

セロトニンは、リズムのある運動を繰り返しているときに
分泌される特徴があります。
テンポよく歩いたり、食べものを噛んだりしていると、
セロトニンが分泌されます。

アメをすぐに噛んでしまうということは、
睡眠不足でセロトニンが減って眠ってしまいそうなので、
脳がセロトニンを分泌させて、起きている状態を
なんとか保とうとしているサインなのです。

ボールペンをカチカチ鳴らしたり、
貧乏ゆすりをしたり、机をコツコツ叩いたりするのも同じ現象です。

睡眠不足状態からの対策では解決しない


では、アメやガムを噛めば、頭がシャキッとするのか、
というとそうはいきません。
脳が眠ってしまうのを、ぎりぎり避けているような感じなので、
噛むことなどのリズム運動では、根本的な解決はしていません。

根本的に睡眠不足を解決するためには、
朝、起きたら窓から1m以内に入りましょう。
セロトニンは、夜に眠るのに必要なメラトニンの原料になっています。
朝、目覚めたときにメラトニンがしっかり減るほど、
昼間のセロトニンは増えます。

セロトニンの働きで、昼間は余裕をもってやるべきことに集中でき、
夜にメラトニンが増えて眠くなったタイミングで、
少しでも早寝をして累積睡眠を増やしてみましょう。

菅原洋平 菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。

イラスト/菅原洋平
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