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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則36
夜中に咳きこんで起きる原因は?
咳きこんで起きる原因は?
睡眠中に、咳きこんで目覚めてしまうことがあります。
特に風邪をひいているわけでもなく、
ホコリっぽいわけでもない。
そんな場合は、食後にも咳をしていないかチェックしてみましょう。
食後に「コホンコホン」と乾いた咳をしていたら、
睡眠中に胃の中の物が逆流して目覚める、
睡眠関連胃食道逆流症かもしれません。
咳きこんで起きたときに、口の中がすっぱく感じたり、
胸焼けしていませんか?
睡眠関連胃食道逆流症では、食道の内圧が低下して、
胃の内圧と同じになると、
相対的に腹圧が増加して逆流します。
さらに、胃と食道の間に空洞ができてしまうと、
食道の圧力で閉まる門がなくなり、
簡単に逆流するようになってしまうのです。
毎日の食事でできる対策とは
最も簡単な解決は、食事中に箸を置くこと。
箸をもったままだと、別に急いで食事をしていなくても、
食事全体の噛む回数が減ってしまいます。
「食事をよく噛みましょう」「一口30回噛みましょう」
とよく言われますが、実際に意識して噛む回数を増やすことは
とても難しいです。
なぜなら、脳が手の動きを学習しているからです。
忙しいときに早食いは避けられませんが、
脳が動きを覚えてしまうことで、
忙しくなくても同じテンポで口に食べ物を運び、
早食いになってしまうのです。
そこで、口に食べ物を入れたら、
箸を置いてみましょう。
最初は少し抵抗があるかもしれません。
箸を置いてみると、いかに普段口の中に
食べ物を詰め込んでいるのか
気づくようになります。
それに気づいたら、脳に新しい食事動作を思え込ませよう、
と考えてみてください。
食事中に箸を置くことができたら、食事を終えたときに、
こめかみのあたりや顎がだるく感じるかもしれません。
噛むことで、それだけの筋力が鍛えられるのです。
1日3回の食事を筋トレのチャンスに変えて、
咀嚼する筋肉や食道括約筋を使う機会を増やせば、
夜中の無駄な目覚めを防ぐことができます。
菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
イラスト/菅原洋平
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