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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則52
自分の眠りは自分で整える
自分でできる睡眠の分析
51「眠りに困っている人がいたら」では、
睡眠の記録の取り方についてお話ししました。
眠っていた時間を塗りつぶし、
ベッドにいた時間に矢印を引きます。
昼間に眠気があったら、その時間に斜線を引いておくと、
眠気の管理もできます。
さて、今回は、つけた睡眠記録を分析して
改善方法を見つける方法をお話しします。
1週間程度、睡眠の記録をつけることができたら、
4つの線を引いてみましょう。
①平均的な入眠時間
まずは、平均的な入眠時間、つまり、塗りつぶしが始まっている時間に、
線を引いてみましょう。
線を引いてみると、就寝が早すぎるせいで、
寝つきが悪くなっていることが見つかるかもしれません。
上図の場合、だいたい夜中の2時ごろに眠っているのに、
早いときは0時前に就寝をしています。
2時間寝つきにかかっていることもあるので、
どうやら0時台に就寝しても、ベッドの中で嫌な時間を
過ごすのが長くなってしまうだけだ、ということが分かります。
0時台の就寝をやめてみて、1時ごろに就寝することから
始めるのがよさそうです。
②平均的な起床時間
次に、平均的な起床時間に線を引いてみましょう。
上図では、6時に線が引かれています。
休日には、11時や12時まで眠っていることがあって、
その翌日には入眠が遅れているので、
休日に起床を遅らせたことで寝つきの悪さが、
助長されているということが分かります。
また、①から②までの間の時間が、
ほぼ眠っている時間帯である睡眠のコアタイムです。
コアタイムが短くなっていると、昼間の眠気が、
強くなることがあります。
早すぎる就寝をさけて、就寝と入眠の差が30分以内になったら、
30分単位で就寝を早めていくと、コアタイムを延ばすことができます。
記録を続けていくと、コアタイムが長くなるにつれて、
昼間の眠気が少なくなることが確認できます。
③平均的な起床時間から11時間後
②から11時間後に線を引いてみましょう。
この時間帯は、内臓の温度である深部体温が最も高い時間で、
眠ることを避けて、できるだけからだを動かしたい時間です。
前後2時間あたりで眠気がないかをチェックしてみましょう。
眠気があったり、うとうと眠ってしまっていたら、
深部体温が十分に上がらなかったことが原因で、
夜に眠気が感じられにくく、寝つきが悪くなっている、
ということが分かります。
平日は忙しければ、休日の夕方から、
からだを動かす用事をつくってみるのがよさそうです。
④ベストスリープを選ぶ
1週間の記録から、「この日が一番良かった」と思う日を選んで、
その日を線で囲んでみましょう。
全部最悪だったと思っても、よく見るとそれでも
ましだった日があるはずです。
その日を選ぶことができたら、
次の週にその日のような感じで眠れた日を、
2日つくることができたら改善している証拠です。
記録をつければ、睡眠の変化は一目瞭然です。
改善が目に見えて分かってくれば、楽しく取り組めると思います。
菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
イラスト/菅原洋平
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