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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則6
午後の眠気を何とかしたい!
午後には眠くなるリズムが備わっている
お昼休みを終えて午後の仕事を再開すると、どうしても睡魔が襲ってくる。
午後の眠気、何とかしたいですね。
午後に眠くなるのは昼食後だからだ、と思われがちですが
実は食事とは関係なく、もともと人間に備わっている体内時計のしわざなのです。
睡眠ー覚醒リズムといって、
人間の脳は1日に2回、起床から8時間後と22時間後に
眠くなるリズムが備わっています。
この1回目の眠気である起床8時間後(朝6時起床なら14時)が、
午後の眠気の正体です。
午後の眠気は、やる気のなさや意思の弱さのせいではなかったのだ、
と分かったところで、対策を立ててみましょう。
計画仮眠で午後もスッキリ集中!
午後になっても、ミスなくしっかり集中して仕事ができるためには
仮眠が有効です。
これは、計画仮眠とか戦略仮眠と呼ばれていて、4つのルールがあります。
1つ目は、眠くなる前に仮眠をすることです。
眠くなってから眠ると、目覚めた後も頭がぼーっとしてしまいます。
眠くなる前の、起床6時間後あたり、
つまり、昼休みの時間がねらい目です。
眠気のありなしに関わらず、戦略的に仮眠をするのです。
2つ目は、1分から30分以内であることです。
仮眠の長さが、1~5分程度でも頭をスッキリさせることができます。
6~15分だと、脳内の睡眠物質も分解されて、
その後の作業効率が上がることが証明されています。
仮眠が30分を過ぎると、夜の睡眠に必要な深い脳波が出て
夜の睡眠を食いつぶします。
深い睡眠は、夜にとっておかなければいけないので、
仮眠は30分以内におさめてみましょう。
3つ目は、座って頭部を固定することです。
人間の脳は、重力に対して垂直に頭が固定されていると深く眠れません。
深い睡眠は夜にとっておくために、座って仮眠をしましょう。
ネックピローやクッションで頭を固定すると、
仮眠から目覚めたときにスッキリします。
4つ目は、「○分後に起きる」と起きる時間を3回唱えることです。
起きる時間を唱えると、脳は、その時間の少し前に心拍数を上げて起きる準備をします。
「1分後に起きる」「20分後に起きる」という感じで、
起きる時間を唱えて脳に仮眠のゴールを設定しましょう。
これら4つのルールで計画仮眠を使えば、午後の眠気を回避することができます。
計画仮眠は練習するほど上達するので、
脳の働きを客観的に管理するつもりで実施してみてください。
菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
イラスト/菅原洋平
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