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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則78
早く目覚めてしまうときの対策は
「もう少し長く眠りたいのに・・・」
朝6時まで眠りたいのに、
4時台に目覚めてしまう。
「もう少し長く眠りたいんだけどなぁ・・・」と思ったら、
次のことを試してみましょう。
①夕方に軽く筋トレをしてみる
睡眠は通常、前半でぐっすり眠り、後半でスッキリ目覚める準備をする構造になっています。
前半ぐっすり眠るのをささえるのが"成長ホルモン"で、スッキリ目覚めるのをささえるのが"コルチゾール"です。

この2つのホルモンは、お互いに影響し合っていて、
"成長ホルモン"の分泌が少なくなると、"コルチゾール"が早い段階で増加してしまいます。
これが、早く起きてしまう要因です。
"成長ホルモン"を増やすことができれば、
"コルチゾール"の分泌のタイミングを遅らせることができ、
朝まで眠りやすくなります。
"成長ホルモン"の分泌は、深部体温リズムに依存しています。
内臓の温度である深部体温リズムは、
起床11時間後に最高になり、
起床22時間後に最低になるリズムがあります。
このリズムの波が強調されて、
ジェットコースターのように起床11時間後から急激に体温が下がると、
成長ホルモンが増えます。
起床11時間後の深部体温を上げるには、
熱を産生する器官である筋肉を増やすことが有効です。
起床11時間後を狙って、
スクワットなどの軽い筋力トレーニングをしてみましょう。
②就寝前にあたたかいアイマスクをする
睡眠中には、心拍数や呼吸数が下がり、
からだは低代謝状態になります。
ただ、就寝してもベッドの中でスマホを扱うなど、
心拍数が高まることをしながら眠ってしまうと、
入眠してからも高代謝状態が保たれてしまうことがあります。
高代謝状態になっていると、
"コルチゾール"の分泌のタイミングですぐに起床準備が整ってしまい、
目が覚めやすくなります。
就寝前に、
濡れたタオルをレンジで適度にあたため、目に当ててみましょう。
目をあたためると、
心拍数が低下しやすく、からだを低代謝状態にすることができます。
低代謝状態で眠ることができると、
早すぎる目覚めを防ぐことができるだけでなく、
睡眠の質が高まり、目覚めがスッキリすることがあります。
ところで、
今年の夏至は、6月21日です。
睡眠時間は日照時間に依存していて、
日の出が早くなる季節には、自然に早く目覚めるようになります。
冬至との睡眠時間の差は、2時間程度あるのは自然な現象です。
この時期は、無理に長く眠る必要はないので、
4時台に目覚めてしまっても、スッキリしていて、
午前中にしっかり集中力を発揮することができるならば、
早く起きて朝から行動を開始してしまうのも、
よい方法かもしれません。

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
イラスト/菅原洋平
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