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睡眠の法則

  • 毎日を充実させる睡眠の法則82

    ●睡眠の法則

    毎日を充実させる睡眠の法則82

睡眠の形を知る

睡眠の形を知ってととのえる


睡眠の基本的な構造を知ると、睡眠の乱れを自分でチェックすることができます。

標準的な睡眠では、
深い睡眠が20%、レム睡眠が25%、それ以外の浅い睡眠が55%程度の割合で出現します。

睡眠段階は5つに分けられます。
第1段階は、浅い睡眠で、眠っていたという自覚がない睡眠です。
よく「一晩中眠れなかった」と感じることがありますが、
そうは言ってもシャッキリ起きていたわけではないという場合は、
この段階の時間が長かったと考えられます。

第2段階は、眠っていたという自覚があります。
寝返りを打ったり、からだをかくなど、
身体の動きが生じることが多いです。

この第2段階の間には、
覚えたことや出来事などの短期的な記憶をつかさどる海馬(かいば)という部位から、長期に記憶を保存する側頭葉(そくとうよう)に情報を移行する作業が行われていると考えられています。

第3、第4段階が、深い睡眠に当たります。
からだは血圧や心拍数が低下して低代謝状態になり、脳内では記憶の整理などが行われています。

睡眠のサイクルは、第1から第4段階までで深くなり、第4から第1段階までで浅くなって、最後に第5段階のレム睡眠が出現します。

レム睡眠は、昼間の動作を反復して上達できるようにしたり、感情的な記憶を消去して事実だけの記憶に整理したりする作業を行っています。
音や振動などの外部からの刺激に反応できるので、危機状態にすぐに対応できる役割を持っているとも考えられています。
睡眠サイクルを繰り返すごとに増えていき、睡眠の後半に集中して出現します。

睡眠の構造は毎日同じわけではなく、その日の出来事に応じて変化します。

例えば、新しいことをたくさん覚えた日は、第3、第4段階の睡眠が増え、
嫌な出来事があった日は、深い睡眠が減ってレム睡眠が増え、感情記憶を消去するという感じで、日々最適な脳の状態をつくっています。

毎日標準的な構造である必要はありませんが、無駄に睡眠の構造が乱れてしまうと、弊害が起こる場合もあります。

若い頃に体験しやすい"金縛り"は、眠り始めにいきなりレム睡眠が出現した現象です。照明をつけたまま眠ったり、からだが冷えた状態で眠ったりすると、睡眠の構造が乱れてこのような現象が起こります。

vol82_睡眠の形を知る
朝、目覚めたときに、ぼーっとしてしばらく起きられず、
夜は眠気を感じずに、いきなり寝落ちするように入眠するのも、構造の乱れです。

よく「二度寝が最高に幸せ」と言われることがありますが、二度寝のぼんやりした状態は、本来は寝つきのタイミングで起こります。就寝してから10分程度、徐々に意識が遠のいていく時間があったのち、入眠する。
このように、「入眠の時間が最高に幸せ」という感じになったら、
睡眠の構造がととのったサインです。

菅原洋平 菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。

イラスト/菅原洋平
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