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睡眠の法則

  • 毎日を充実させる睡眠の法則84

    ●睡眠の法則

    毎日を充実させる睡眠の法則84

睡眠によい運動は?

睡眠によい運動ってあるの?


健康のためには、食事と運動と睡眠の
3つのサイクルをうまく回すことが大切です。

でも、忙しい毎日で、
新しい習慣を加えることができるのは
現実的には1つくらい。

そこで、
睡眠によい運動を知って、
からだを動かしつつ、よい睡眠も同時に手に入れてみましょう。

睡眠の質のカギを握るのは、
内臓の温度である深部体温リズムの勾配。

深部体温は、起床11時間後に最高になり、
22時間後に最低になる。
この値の幅が大きくなるほど、
深く良質な睡眠が得られます。

例えば、
不規則な生活をしている人の深部体温を計測した実験では、
昼間も夜も大きな差が見られませんでしたが、
いつも同じ時間に起床して、
日中に動き、夜には眠る生活に変えてみると、
1週間後には、夕方に最高体温になり、その後体温が低下、
明け方に最低体温になるはっきりした波がつくられていきました。

深部体温リズムをつくっていくと、
自然に夜は眠くなり、朝はスッキリ目覚めるようになります。

睡眠のリズムと深部体温のリズムは、
とても密接に関係しているのです。

体温がしっかり上がるからだとは?


深部体温リズムをつくるには、
しっかり体温が上がるからだをつくることが必要です。

特に40歳以降は、
体内にある小器官のミトコンドリアがエネルギー産生の主体になります。

ミトコンドリアを含む褐色脂肪組織は、
動脈の中心である大動脈の周辺や、
首のまわり、鎖骨の下あたり、わきの下や股の間、肩甲骨のまわりに配置されています。

これらは、太い血管の通り道であり、
褐色脂肪組織のミトコンドリアが交感神経活動に反応して
血液を温めることで深部体温が上昇する仕組みです。

夜間に向けて褐色脂肪組織の働きが低下すると、
深部体温が低下していきます。

褐色脂肪組織がヒーターのような役割をしているので、
中に含まれているミトコンドリアが増えるほど、
深部体温の勾配がつくられやすくなる、というわけです。

ミトコンドリアは、
運動で増やすことができます。
その運動のポイントは、
「低強度+高頻度」です。

運動は、この後ご紹介するようなごく軽い強度でよいです。
週4日以上運動することができると、
深部体温リズムに変化を与えることが期待できます。
また、狙う時間帯は起床11時間後の前後2時間です。
6時起きの人は、
15時から19時に行ってみましょう。

それでは、ミトコンドリアが多い肩甲骨のまわりを狙って
エクササイズをしてみましょう。

①腰に手をあてた姿勢で、
手を離さずに両ひじを近づけてみましょう。

vol.84_睡眠によい運動は?
肩甲骨の内側が動いていることを感じながら、
ゆっくり動かしてゆっくり戻します。

この「ゆっくり」が、ミトコンドリアを増やすポイントです。
作業の合間に5回程度やってみましょう。

②図のように肩に両手をあてて、
手を離さないように気をつけながら、
両ひじで内側から大きく円を描いてみましょう。

vol84_肩回し
これもゆっくり行うことが重要です。

肩が動く範囲をなぞって確かめるように
10秒かけて一周するくらいのスピードがよいです。

深部体温が上がりやすいからだをつくっておけば、
自然に睡眠の質が高まります。

菅原洋平 菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。

イラスト/菅原洋平
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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