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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則86
夜のスマホ使用で子どもが睡眠不足?
子どもが夜スマホを使い過ぎず、リラックスして眠るには?
子どもの睡眠トラブルは
親の仕事の生産性にも影響します。
子どもが
夜、自分から眠り、
朝、自分で起きてきてくれたら、
1日の始まりと終わりの時間にかかる負担は
ぐっと減ります。
子どものスマホによる睡眠トラブルを防ぐために
避けて通れないポイントが、夜間の利用です。
スマホの使用を制限したり、
ただ早寝を促すことは、あまり効果がありません。
そこで、
スマホと脳の関係から対策を立ててみましょう。
なかなか切り上げられない
スマホ閲覧からの脱却のポイントは、
①媒体との物理的距離
②感情の共有
です。
閲覧している画像から、物理的に距離が離れると、
画面を見ているときに、周辺も視界に入ります。
眼球が周辺をぼんやりとらえる「周辺視」をしているとき、
脳の中では、デフォルトモードネットワークという
情報を整理するネットワークが起動します。
このネットワークが働くと、
視覚から得た情報が脳内の記憶と照合されるので、
自分の体験に置き換えたり、
不要な情報をスルーして、
過度に情報にのめりこむことがありません。
スマホをテレビやプロジェクターにつないでみましょう。
まずは、自分のスマホをつないで共有したい動画を一緒に見てみるなどして、
「媒体から離れて情報を得る」ことを体験してみましょう。
子どもがスマホを利用するときも、
ゲームや動画を画面につないでみると、
感覚が変わることに気づくはずです。
大きな画面で一緒に見ると
もう1つのポイント、「感情の共有」が満たせます。
他人と感情を共有することは、
依存からの脱却のために必要な要素でもあります。
動画やゲームを見ながら
会話が生まれ、感情が共有されると、
腹側迷走神経系が交感神経系を抑制するので、
心拍数や呼吸数が高まり過ぎることなく、
リラックスした状態になります。
からだがリラックスしていれば、
過度な集中や、
画面から離れることへの不安や怒りが起こらないので、
動画閲覧を一定時間で切り上げることも、やりやすくなります。
夜間のスマホ使用が長い子どもほど、
自尊感情が低いというデータもあります。
取り上げるのではなく、
時間や空間を共有して、
お互いを受け入れる媒体として
スマホを使ってみてはいかがでしょうか。
菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
イラスト/菅原洋平
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