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睡眠の法則

  • 毎日を充実させる睡眠の法則88

    ●睡眠の法則

    毎日を充実させる睡眠の法則88

屋外に出ることの重要性

屋外の光が脳の働きに関係する!?


寒い季節に入り、
今までよりもさらに外出する機会が減っていませんか?
また最近、目が悪くなってきたかも・・・
気分が落ち込み気味・・・なんていうことがありませんか?

今回は、
最近見直されている
屋外の光の重要性について知っておきましょう。

睡眠は光の環境に大きく影響を受けます。
それは、網膜(もうまく)に存在する光をキャッチする受容体"OPN4"が
私たちのからだのリズムの調整に深く関係していることからきています。

このコラムでもよくご紹介している
「朝、目覚めたら窓から1m以内に入る」という行動は、
太陽光に含まれるブルーライトで"OPN4"を活性化させて、
メラトニンを減らします。

これを合図に
1日の活動をスタートできる脳とからだをつくり、
同時に夜の眠気もつくることができます。

vol88_屋外に出ることの重要性
ブルーライトは、
本来、日没後は存在しないものなので、
夜の時間帯に、LED照明や画面の光などで"OPN4"が活性化されると、
睡眠が乱れてしまいます。

なので、夜過ごす部屋の照明は照度を低くし、
画面を見る時間を減らすことが、
睡眠改善には大切です。

さて、
"OPN4"は、起床直後に活性化しやすく、
時間が経過するほど活性化しにくくなることから、
目覚めたらできるだけ早いうちに脳に光を届けることが重要です。
では、昼間に光を浴びることは意味がないのか?というと、
別の観点から重要性があることが明らかになってきています。

その観点とは、
紫の光であるバイオレットライトによって活性化する"OPN5"です。

太陽の光には、バイオレットライトがふんだんに含まれているのですが、
現代の窓ガラスやメガネ、コンタクトレンズはバイオレットライトをほぼ通さないので、
室内にはほとんど存在しません。


実はここ20年で急増している近視に対して、
台湾で行われた大規模な実験があります。
児童に1日2時間の屋外活動を導入したところ、
視力低下の割合が減少したということです。

研究では、
屋外に出ることで運動量が増えることや近くを見続けることが減ることの影響ではなく、
太陽光によって、網膜の中のドーパミンが増えること、
そして、バイオレットライトが近視の予防に関与すると報告しています。

また、バイオレットライトは、
視力だけでなく、
脳の血流にも影響することが明らかになっています。

動物実験では、
バイオレットライトにより、
脳の血流が増えて、
うつ症状の改善が見られています。
認知症、パーキンソン病などでも、バイオレットライトを用いた治療が研究されています。

バイオレットライトを使うことは、
屋外で過ごすことと同じです。

外出の自粛、紫外線による美容への影響、寒さから家にこもりがち、と、
なかなか屋外にいる時間をつくるのは難しいかもしれませんが、
私たち人間が健やかに過ごすためには、
屋外の光が重要であることも事実です。

人込みは避けつつも、
少しだけ屋外に出る機会を増やしてみませんか?

菅原洋平 菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。

イラスト/菅原洋平
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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