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睡眠の法則

  • 毎日を充実させる睡眠の法則89

    ●睡眠の法則

    毎日を充実させる睡眠の法則89

ソーシャルジェットラグを防ぐ


海外旅行をしているわけでもないのに、
社会生活のリズムと自分の生体リズムがずれてしまうことを
ソーシャルジェットラグ(社会的時差ぼけ)と言います。

例えば、
「明日は休みだー」と夜更かしをして
朝はゆっくり起きるというような寝だめをすると、
生体リズムが後ろにずれるので、
その晩は寝つきにくくなり、
睡眠不足のまま出勤することに。

一時的に時差ぼけと同じ現象が生じて、
頭はぼーっとし、
からだはふわふわ浮いたような感じになります。

実は、この"ソーシャルジェットラグ"は、
日本の調査では
男性よりも女性の方がなりやすいという結果が出ています。

"ソーシャルジェットラグ"は、
家事や仕事に集中できなくなるだけでなく、
肥満にもなりやすく、
また、季節の変化で気分のアップダウンがひどくなったり、
月経のリズムの乱れにも影響するなど
様々な弊害を引き起こします。

何時に起きて何時に眠るか、という睡眠の時間帯のばらつきが
大きい人は、少ない人に比べて、
睡眠時間が同じであっても、
月経に伴う気分や体調の不良がひどくなる
という調査結果が出ています。

その差は約2倍。

vol89_ソーシャルジェットラグを防ぐ
睡眠外来では、
"ソーシャルジェットラグ"が改善して月経に伴う不調が減ると、
「月経時の不調は昔からあったので、そういう体質だと思っていた。
睡眠のリズムと関係があるとは全然考えていなかった」と話されることが多いです。


また、
季節の変化で気分が不調になる季節性の抑うつとの関連も
指摘されています。

男性は、"ソーシャルジェットラグ"と季節性の抑うつとの関連性は見られないのですが、
女性は、1時間以上の起床時間の差がある人は、
そうでない人よりも、
季節の変化で気分や行動が乱れやすいことが明らかになっています。

もし、休日のたびに寝だめをする習慣があるなら、
次の方法でソーシャルジェットラグを防いでみましょう。


①休日の朝は座って二度寝する

脳は、重力方向で「目覚めている度合いである=覚醒度」が変わります。
重力に対して頭を起こすことが脳にとっては負担なので、
脳は頭を起こすことができるように
起床の3時間前から血圧を高めて準備しています。
この準備を無駄にしないように、
目覚めたら枕を高くしたり、ヘッドボードに寄りかかったりして
座ったまま二度寝をしてみましょう。
その後の行動がスムーズにできるはずです。


②起床時間が遅くなっても1分間、外を眺める

朝ゆっくり起きると、
「今日は休みだから」という気分から、窓際にもいかなくなりがちですが、
網膜で光を感知しないと生体リズムは後ろにずれてしまいます。
普段の起床から4時間までの間は、
光を感知してリズムを保つことができるので、
遅く起きたとしても、
窓を開けて外を眺め、脳に光を届けてみましょう。
室内照明をつけたり、
デスクライトに近づくなど人工的な照明でもリズムキープができます。


③夕方2分間で深部体温を上げる

朝の光を感知するのが遅れると、
メラトニンがつくる生体リズムはあっさり遅れてしまいますが、
内臓の温度である深部体温リズムは1日起床が遅れたくらいではずれません。
そこで、深部体温リズムを強化して、
翌日にはメラトニンリズムが同調してもとに戻りやすいようにしておきましょう。
休日の夕方には、
1秒に1回のスピードで腰の高さまでひざを上げる運動を60回、
1分間でスクワット10回の、合計2分間運動をしてみましょう。

"ソーシャルジェットラグ"を防ぎ、
不調をまねく悪循環を断ち切りましょう。

菅原洋平 菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。

イラスト/菅原洋平
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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