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睡眠の法則

  • 毎日を充実させる睡眠の法則92

    ●睡眠の法則

    毎日を充実させる睡眠の法則92

理想の時間に起きる手順とは


睡眠をととのえるには、
睡眠のリズムである生体リズムを構成する3つの性質を
理解して使いこなしましょう。

生体リズムは、
「振幅」「位相(いそう)」「周期」で構成されています。

早起きの生活にしようと思って、
いつもより早い時間帯に目覚ましをかけても、
なかなか起きられなかったり、
無理に起きて1日中ぼーっとしたりしてしまったという
経験はありませんか?

うまくいかなかったのは、
生体リズムをととのえるための手順が違っていたからです。

何時に起きて何時に眠るか、というタイミングのことを「位相」といいます。
それに対して、スッキリ起きてぐっすり眠るという
睡眠と覚醒のメリハリのことは「振幅」といいます。

vol92_理想の時間に起きる手順とは
そして、
生体リズムは、
「振幅」が明確になると「位相」を動かすことができる
仕組みになっています。

先ほどの無理に早起きしようとした行動は、
強い「振幅」がつくられていないうちに
「位相」を動かそうとした、ということです。
これでは、「位相」は動きません。
つまり、このやり方をいくら繰り返していても、
早起きの生活リズムをつくることはできません。

そこで、
手順通りに早起きリズムをつくってみましょう。

まずは、
「振幅」を強化します。
現在起きている時間にスッキリ起きられて、
就寝前には強い眠気がきて、
ぐっすり眠れるリズムをつくります。

朝目覚めたら
窓から1m以内の明るいところへ行き、
起床11時間後にはスクワット10回程度の筋トレをして
深部体温を上げ、
就寝3時間前から部屋を暗くする。
こうして「振幅」が強化されると、
週4日以上は就寝前に自然に眠くなるようになってきます。

睡眠の質が上がり、
スッキリ起きられるようになってきたら、
ここから「位相」を前進させていきます。

本来起きたい時間の11時間後に筋トレの時間を早めます。
就寝前に早めに眠気がきたら、
30分単位で就寝を早めてみましょう。

朝、少し早めに起きられたら、
窓際に行くか、
もしくは、まだ眠くても思い切って座って二度寝をして、
覚醒している時間を引き延ばしていきます。

これで少しずつ「位相」が前進していきます。

理想的なリズムに近づいてきたら、
そのリズムの周期を見て、
2週間や1か月という長いスパンで
リズムを管理していきます。

2週間のうち
過半数が理想の時間に起きられる様になってきたら、
次の2週間には、ほとんどの日が理想の時間に起きられるようになります。

ただ、以前のリズムも残っているので、
急に夜に眠気がなく寝つけないことや、
朝起きられなくなることが発生します。

そんなときは慌てずに、
夜に眠気がないときには無理に就寝せず、
眠くなってから就寝し、
睡眠時間が短くてもいつもと同じ時間帯に起きるようにします。

また、それができなかったとしても
朝、起きたときに
窓から外に顔を出したり、
ベランダに出たりして強い光を脳に届けて
リズムのズレを最小限に抑えます。

生体リズムは、
多い方のリズムに同調していき、
周期を繰り返すたびに同調が強まります。

寝つけない日や
起きられない日が
2週間に1日出現したとしても、
次は1か月に1日、3か月に1日、
というように、より頻度が減ってくれば、
理想の睡眠リズムが安定してつくられているということです。

やみくもに生活リズムを変えるのではなく、
生体リズムの仕組みを知って、
思い描く生活スタイルをつくっていきましょう。

菅原洋平 菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。

イラスト/菅原洋平
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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