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睡眠の法則

  • 毎日を充実させる睡眠の法則93

    ●睡眠の法則

    毎日を充実させる睡眠の法則93

脳の働きを管理する

眠気は我慢するほどひどくなる


作業中に眠くなることは誰にでも起こる現象ですが、
みなさんは、そんな眠気に対して
どのように対策していますか?

脳は、眠気を我慢すればするほど、
眠い時間帯はトータルで長くなる仕組みになっています。

そこで、
眠気は我慢せずに、
眠気のサインをキャッチしたらすぐに脳波を変えることが重要です。

「睡魔が襲ってきたらどのように対策すればいいですか?」
と、質問を受けることがありますが、
実は、
睡魔が襲ってきてから対策をしていたのでは遅すぎなのです。

脳が集中している状態から居眠りをするまでには
段階があります。

まずはその段階をみてみましょう。

vol93_脳の働きを管理する
最初に見られるのは、
マイクロサッケードという現象です。

サッケードとは、休息に動く眼球の運動のことです。
眼球は止まっているように見えるかもしれませんが、
実は常にキョロキョロ動いています。

例えば、
机の上のマグカップを見るとき、
眼球はマグカップの輪郭を確かめるように
細かくキョロキョロ動いています。

このサッケードによって
私たちの脳は、物体を視覚的に捉えることができます。

このサッケードが非常に短い時間で起こるのが
マイクロサッケードです。

脳が眠くなってくると、
マイクロサッケードが起こり、
関係ない方向に目がキョロッと向きます。

自覚的には
「気が散る」
「余分なものが目に入る」
といった感覚です。

このときに、
脳では眠りが始まっています。

「気が散るな」と思ったら、
躊躇(ちゅうちょ)なく席を立って、
「5分後に起きる」と3回唱えて目を閉じる、
計画仮眠をしてみましょう。

この時点で計画仮眠ができると、
目覚めた後に
すっきりした頭で集中できることが体験できます。

マイクロサッケードを放置していると、
マイクロスリープという現象が起こります。

これは、2~7秒程度のごく短い睡眠で、
「眠っていた」という自覚はありません。

ですが、50%以上の割合で何らかのミスをしています。
そのミスは、
文章を読んでいて同じ行を2回読んでしまうとか、
思っていたこととは違うことを口走ったり、
パソコンのタイピングミスといった
自分だけが気づくミスです。

ここでも気がついて
計画仮眠ができると、眠気はスッキリ解消することができます。

さらに放置をしていると、
他人でもわかるミスである
アクションスリップという現象が起こります。

いわゆるヒューマンエラーで、
居眠りをしていたという自覚がないのにミスをしてしまうようになります。

これは、
仕事の現場では「不注意」として処理されてしまいがちですが、
ヒューマンエラーの原因は、
眠気のサインを放置したことなので、
マイクロサッケードやマイクロスリープをキャッチしたら
安全を確保するために計画仮眠をとる、という対策を周知する必要があります。

これらの現象を経て、
最後に起こるのが、居眠りです。

いかがですか?
睡魔が襲って居眠りをしてしまうのは避けられない、と思うかもしれませんが、
居眠りは、脳が出していたサインを無視し続けてしまった結果起こるものだと考えると、
対策できるということがお分かりいただけると思います。

眠気は我慢するものではなく、
脳の働きをモニターできる現象で、
脳の働きを客観的に管理するつもりで計画仮眠を用いる。

このように考えて、科学的な対策をしていきましょう。

菅原洋平 菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。

イラスト/菅原洋平
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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