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睡眠の法則

  • 毎日を充実させる睡眠の法則95

    ●睡眠の法則

    毎日を充実させる睡眠の法則95

重い寝具でぐっすり。その理由は


子どもの頃、敷布団の下やソファの間にからだを潜り込ませて
「なんか、落ち着く」と感じたことはありませんか?

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昔から、
寝具は軽くてあたたかいものがよい、
という概念がありましたが、
今、重たい毛布がひそかなブームになっています。
それには、私たちのからだの仕組みとライフスタイルの変化が
関係しています。

質のよい睡眠の条件のひとつに、
「入眠時の筋肉の活動が低下していること」があります。

筋肉の活動を低下させ、筋肉を緩めるには、
からだの力を抜けばいいのですが、
日々緊張することが絶えない忙しさの中では、
これが意外と難しいです。

筋肉は、
両端の『腱』と真ん中の『筋腹』に分かれます。
『筋腹』に持続的に圧が加わると、
その信号によって『腱』の感受性が高まります。

『腱』から脳に信号が送られると、
「筋肉にそれ以上負担がかからないように」と
筋肉を緩める命令が出されます。
すると、筋肉が緩む、というわけです。

筋肉にかけられる圧が、
点ではなく面であることがポイントです。
大きな面積で一定の圧が加わると、
筋肉は緩みます。

この仕組みを利用しているのが、
重たい毛布、ウェイトブランケットです。

一定の圧を加えると筋肉が緩むことは、
マッサージやストレッチをじっくり行うこと、
プールや入浴時の水圧、
ハグされることなど、様々な場面で体験しています。

からだに圧をかけてリラックスさせることに
注目が集まるのは、
私たちが日常行う運動が減っているサインでもあります。


運動が不足すると、
『腱』の感受性が低下し、
からだの動きに対して鈍感になります。

すると、少し動いて圧が加わったぐらいでは、
筋肉は緩まなくなってしまいます。
そのため、ウェイトブランケットのようなもので、
大きな面積に圧を加える必要が出てくるのです。

首や肩がこる、
手を握りしめる、
歯を食いしばるなど、
行動に不必要な場所に力が入っている人は、
自分は『腱』の感受性が低下しているのだな、と気づき、
運動や心地よい圧をからだに与えてみましょう。

筋肉は、運動するための器官だと考えられがちですが、
からだの動きを脳に知らせる感覚器官でもあります。

筋肉から伝えられる感覚は、
固有感覚と呼ばれます。

固有感覚情報は、
私たちのメンタルをととのえるために重要な役割を担っています。
今、自分のからだがどうなっているか、という情報は、
憶測や不安を生み出す前頭葉の活動を抑制します。

からだを通して脳の働きを調整し、
緩んだからだでぐっすり眠りましょう。


菅原洋平 菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。

イラスト/菅原洋平
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