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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則98
快眠グッズで混乱しないために知っておくべきこと③
快眠グッズで何を選んでいいのか分からなくなってしまう。
広告を見るとその商品がいいように思うけど、
いざ使ってみると、自分には合わないみたい・・・。
また別の広告を見ると、その商品の方がいいように思えてくる。
そんな悩みが多いのが、マットレスです。
今回は、
マットレス選びで迷わず、
また現状のマットレスでもよく眠れるための対策をお話しします。
マットレスを店舗で選ぶときに、確認していただきたいことがあります。
それは寝返りです。
店舗で実際に横になってみると、
「おー気持ちいい」と感じることが多いと思います。
冷静に考えてみると、
店舗内などを長時間歩き続けたところで横になれば、
どのマットレスでも「気持ちいい」と感じてしまいそうですよね。
まっすぐ仰向けになるだけでは、
そのマットレスが自分に合っているのかは分かりません。
そこでいつものように寝返りをしてみましょう。
寝返りをしてみると、
「あれ?動きにくい・・・」ということがあるかもしれません。
寝返りは、肩甲骨あたりを支えにしておしりを上げて横向きになり、
最後に骨盤をぐるっと回してもとに位置に戻るという動作です。
マットレスがやわらかく、
おしりを上げようとしたときに肩甲骨が沈み過ぎてしまえば、
からだを回転させにくくなります。
『からだを持ち上げようとしたときに、
しっかりとからだが支えられて回転しやすいかどうか。』
この点をチェックしましょう。
マットレス選びでは、
よく「体圧分散」という言葉を目にすると思います。
からだを支える部位が一カ所に集中すると、
その部位に負担がかかるので、より広い面積でからだを支えることを目的としています。
からだは、支える面の面積が小さくなるほど筋肉には力が入り、
面積が大きくなるほど力が抜ける、という仕組みになっています。
支える面積が大きくなる「体圧分散」を目指した商品では、
仰向けになったときに力が抜けやすいので、寝ごこちがいい感じがします。
反対に、寝返りのときは、足と肩甲骨あたりだけが面に接するので、
面積が小さくなり筋肉に力が入るはずです。
この広い面積で支えられているときと、
狭い面積で支えられたときの切り替えがスムーズにできると
睡眠中のからだの動きがスムーズになります。
ぜひ、この切り替えに注目して選んでみましょう。
現状のマットレスでも
寝返りに注目すれば、寝ごこちがよくなります。
ポイントは、骨盤の回旋(かいせん)です。
骨盤の回旋とは、背骨を軸にして、
骨盤だけを回す動きです。
この動きが左右ともスムーズにできると、
寝返り動作が向上し、
睡眠中の体温の放熱がうまくできるので
寝ごこちがよくなります。
骨盤回旋エクササイズをやってみましょう。
まっすぐに立って、
両手を軽く上げます。
その手や頭が動かないように注意しながら、
骨盤だけを左右に回してみましょう。
回せる範囲を大きくしていくと、
寝返りがスムーズになります。
ぜひ、お試しください。
菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
イラスト/菅原洋平
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