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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則112
『楽しいはずなのに眠れない・・・』
春は何かと新しいことを始めたくなる季節ですね。
ただ、
そんな気分とは裏腹に、
疲れて無気力になってしまったり、
気分が高揚して眠れなくなってしまったりする方も多いです。
これには、
脳の仕組みが関係しています。
脳は、
新しい情報があり過ぎてもなさ過ぎても
やる気が起こらなくなってしまうのです。
新生活をきっかけに、
洋服を変えたり、
名刺入れやバッグを変えたりするなど
身の回りの物を一新することがあるかもしれません。

そうすると気分も晴れやかになって、
とても気持ちいいですが、
思わぬ失敗をしてしまうことがよくあります。
新しい方と新しい仕事の打ち合わせをするので、
気合を入れておしゃれをして行ったのに、
肝心な仕事の資料を忘れてしまった・・・・。
そんな信じられないような失敗が起こるのは、
脳に新しい情報を入れすぎてしまったことが原因です。
脳は、
何かの課題に取り組むときに、
50%はやれば結果が分かるけど、
残り50%は実際にやってみなければわからない、という設定になっていると
一番やる気になります。
先ほどの例は、
新しい方に新しい仕事、新しい洋服に新しい小物、といった感じで、
先が見えない状況がつくられ過ぎてしまい、
脳が注意を払えなくなってしまったということです。
春は、どうしても新しい情報が増えます。
知らないうちに、脳が新しい情報で興奮してしまうので、
昼間はそわそわと落ち着かなくなり、ミスをしやすく、
夜は興奮が鎮まらずに寝つけなくなってしまいがちなのです。
そこで、
脳に与える情報をコントロールして、
脳が気持ちよく過ごせるようにしてみましょう。
人、場所、コト、洋服、髪型、小物、食べ物などなど、
私たちの脳は、常に情報の選択をしています。
新しい人に会ったり、
新しい事業に臨んだりするときには、
日常生活をいつも通りにしてみましょう。
いつもと同じ洋服でいつもと同じ朝食を食べて、
いつもと同じルートで会社に向かう。
こうして脳に入る情報を引き算してみると、
あたふたせず落ち着いて過ごすことができます。
反対に、
いつもと同じ方といつもと同じ仕事が続く場面で、
新しい洋服を着たり、朝食を変えてみたりすれば、
脳はいきいきとやる気を生み出します。
春は「ちょっと物足りないな」ぐらいの情報量にすることを
こころがけてみると、
ここちよく過ごすことができます。

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
著書:あなたの人生を変える睡眠の法則2.0
イラスト/菅原洋平
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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