SUIMIN PORTAL SITE すやすや部 SUIMIN PORTAL SITE すやすや部

「すやすや部」は、睡眠の大切さをいろいろな角度から
お伝えする睡眠情報サイトです。

睡眠の法則

  • 毎日を充実させる睡眠の法則116

    ●睡眠の法則

    毎日を充実させる睡眠の法則116

やめたいことをやめられる簡単な方法
「自分を過大評価してしまうメカニズムとは」


ネットサーフィンをしていたら
いつの間にか夜中になっていて寝不足・・・。

そんな相談から、
食べすぎや無駄な買い物、
やるべきことの先延ばしなど、
『やめたいと思っているはずなのに、やめられないこと』
の相談に発展することがよくあります。

それらの行動には、脳の仕組みが関係しています。

やめたいと思っているのにやめられない時
人は、自分のことを過大評価=『優越の錯覚』を起こしているのです。

『優越の錯覚』とは、
「自分は平均より優れている」という思い込みです。

vol116_やめたいことをやめられる簡単な方法<br>「自分を過大評価してしまうメカニズムとは」
例えば、大学教授を対象にした実験で、
98%の人が平均的な教授より自分の方が優れていると評価しているという
研究もあり、
多くの人が、自分は平均より上の能力を有していると
答える傾向があります。

この『優越の錯覚』は、
健全なやる気を生み出すことにも貢献しているのですが、
反面、自分はできるはずという思い込みから
自分の行動が変えられないという問題を生み出すこともあります。

『優越の錯覚』をつくっているのは、
ドーパミンという神経伝達物質です。
新しい情報を目にすると増えて、
その行動を強化する働きがあることから、
行動をやめられなくなる原因となる物質です。

ドーパミンの濃度が濃いほど、
『優越の錯覚』を抱くことが明らかになっています。

ドーパミンには、
1日のうちで増える時間帯があり、
それが午前0時ごろ。

夜中まで起きていると、
目新しい情報に反応しやすくなり、
一度反応すると、
「それよりも新しい情報」を求め続けるようになります。

夜中ほど
ネットを見るのが制御できなくなるのは
このためです。


例えば、
就寝前にスマホで動画を見ているとき、
頭の中ではこんなことを考えています。

「私なら、いつでも動画視聴をやめて早寝することができる」

『優越の錯覚』により、
こんな考えがつくられると、
「できるはずの自分」という幻想を追い求めるわけですが、
現実の行動は変わらず、翌日に罪悪感としてのしかかってきます。

この負のスパイラルを抜け出す簡単な方法があります。

それは、
やめたい行動を始めたときに
「またやるな」とつぶやくことです。

そもそも、
脳は過去の記憶に基づいて行動するので、
昨日やったことは今日もやります。

そこで、
やり始めたときに「またやるな」とつぶやくと、
脳はやめたいことを回避できたときの記憶にアクセスし、
適切な行動を命令します。

すると、
すんなり短時間で切り上げることができます。
異なる記憶にアクセスされたことで、
ドーパミンが減少したのです。

「またやるな」という言葉で、
脳に現実を見せてあげましょう。


菅原洋平 菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。

あなたの人生を変える睡眠の法則2.0
著書:あなたの人生を変える睡眠の法則2.0

イラスト/菅原洋平
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
※この記事に含まれる情報の利用は、お客様の判断と責任において行なってください。

ワコールナイトウェア 公式X