毎日を充実させる睡眠の法則119

●睡眠の法則

毎日を充実させる睡眠の法則119

「やめる」をやる睡眠改善

良質な睡眠を得ようとするほど、
満足いく睡眠が得られない・・・。

良さそうなことは何でもやってみているのに、
今日も途中で目覚めてしまった・・・。

vol118_「やめる」をやる睡眠改善

睡眠改善では、
頑張るほどに眠れない、という悩みに行き当たってしまうことがよくあります。

そんなときは、
あえて「やめる」睡眠改善に挑戦してみましょう。

人間は、すごく眠ければ眠ります。

ですから、
就寝前にすごく眠くなる脳をつくることが大切です。

そして、
良質な睡眠を得るためには、
就寝前に心拍数が下がることが必要です。

アロマの準備をして、
眠るためのヨガをやって、
寝つきを良くする動画を流して、
ハーブティを飲んで、
マインドフルネスを頑張らないと・・・、
と、就寝前が忙しくなっていませんか？

一般的に睡眠に良い、とされることでも、
それを一生懸命やろうとし過ぎて、
「大丈夫かな。これでちゃんとできているのかな」と不安になれば、
ドキドキして心拍数は上がってしまいます。

「何でも完璧にやらないと気が済まない」と思って、
眠ろう眠ろうと構えすぎてしまう人は、
引き算の睡眠改善にチャレンジしてみてください。

「やめる」をやることで、
心拍数を下げていくのです。

もし、暗い部屋の中で、
何もせずにずっと起きていなければならない、という環境に置かれたら、
どうなると思いますか？

実験では、
大抵の方が眠ってしまいますし、
一度眠ると、いつもよりも長く眠る傾向があります。

脳は、
刺激のない中で、
覚醒を保つことが難しいのです。

ただ、
「何もしない」ことに耐えられないこともあります。
「この時間があれば○○ができるのに・・・」
と思ってしまうなど、
新しい刺激を探すドーパミンの離脱反応です。

この反応によって、
片づいていない物が目についたり、
調べようと思っていたことを思い出したりすることもあると思います。

そうしたら、
頭の中で「やめた」とつぶやいてみましょう。

最初の日はそわそわと落ち着かないと思います。
ところが、4日すぎると、
落ち着かないどころか、
やることから解放された感覚になっていくはずです。

そして、
やめることができると、
それを一生懸命やっていたときと
それほど変わらないことに気づきます。

やらない方が、
むしろリラックスして眠れることさえあります。

睡眠は、課題ではありません。
毎日必ず行われるただの生理現象です。
引き算の睡眠改善で、自由になってみましょう。

菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック（東京都千代田区）で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる！行動力を高める科学的な方法』など多数。