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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則121
『眠る前までにやるべきことをすべて終えるコツとは』
眠る時間になったら、
今日やるべきことがすべて終わっている。
そんな1日の終わりをむかえることができたら、
満ち足りた気分で眠れそう。
気がかりなことが少なく、
心拍数が下がることで
睡眠の質は上がります。
昼間に集中しサクサクやるべきことを終えるためには、
脳の仕組みに合った課題設定をすることが大切です。
では、集中できないときって、どんな感じですか?
目の前のこととは関係ないことを考えてしまう、
という方が多いのではないでしょうか。
この現象は、
マインドワンダリングと呼ばれます。
心がふらふらとさまよってしまい、
とりとめのない考えが浮かんで
ちっとも作業が進みません。
このマインドワンダリングは、
16分に1回の頻度で出現することが
研究で明らかになっています。
つまり、
脳は、15分程度しか
集中力を保つことができない、という仕組みなのです。
そこで、
脳の仕組みに合わせて課題を設定すると、
15分ごとに作業を切り替えるサーキット課題が出来上がります。
やらなければならないことが4つあるならば、
それぞれの作業を、A、B、C、Dとします。
Aの課題に取り組んだら、
それがはかどっていようがいまいが、
15分で切り上げて、Bの課題に取り組みます。
Bの課題も15分で切り上げて、Cの課題に取り組みます。
このようにしてDの課題まで取り組んだら、
次はAの課題の続きから取り組みます。
細切れにしか作業できず非効率に思えるのですが、
実際にやってみると、
2時間の作業でやるべきことがかなり終えられていることに気づくと思います。
作業を途中で区切ったら、
どこまでやったのかわからなくなってしまうのでは?
と思う方もいるかもしれませんが
その心配はありません。
脳は、
何かの作業を始めるときに、
アドレナリンという物質が高まって、やる気が起こります。
しばらく作業を続けると
疲労してきますが、
それでも作業を続けるために、
ノルアドレナリンという物質が増えて集中を保とうとします。
もし、
このタイミングで作業が中断したとすると、
ストレスの指標であるコルチゾールが急激に増えます。
コルチゾールが増えると、
脳の記憶を司る海馬が影響を受けて、
作業の進行状況を忘れてしまいます。
脳の疲労を示すノルアドレナリンが増えなければ、
作業を区切ってもコルチゾールは増えません。
15分経ったら自分で作業を区切れば、
脳の疲労は避けられるので、
ノルアドレナリンを増やさずに済みます。
ということで、
作業の進行を忘れずに続きから始めることができます。
やるべきことをそれぞれ進めることができるし、
脳も疲れない。
サーキット課題を設定して、
リラックスできる就寝時間をむかえましょう。
菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
著書:あなたの人生を変える睡眠の法則2.0
イラスト/菅原洋平
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