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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則140
「ウェアラブルデバイス、どう使う?」①
質の良い睡眠への関心が高まる中で、
ウェアラブルデバイスで睡眠を測れることも、
一般に知られてきました。
ただ、
「ウェアラブルデバイスって実際どうなんですか?」
「睡眠データって、何を見ればいいんですか?」
といった質問が多く寄せられます。
せっかくウェアラブルデバイスを使うならば、
睡眠改善に役立てたいもの。
そこで、
よくあるご質問に回答していきながら、
上手な使い方を知っておきましょう。

Q:「ウェアラブルデバイスをつけているのに睡眠スコアが良くならない」
A:「つけているだけで睡眠が改善することはありません」
健康に関する機器全般に言えることかもしれませんが、
使用すると「健康になる気」になることがありますよね。
計測結果が出るなら早めに眠っておこう、という意識が働いて、
睡眠不足が解消されることはありますが、
デバイスそのものに睡眠を改善する機能はありません。
睡眠は、
日中にとった行動の結果が反映されるので、
計測することで
リズムを整える動機になることが望ましいです。
Q:「睡眠データを見てもよくわからない」
A:「心拍数の変動に注目してみましょう」
睡眠のデータ「スコア80!」と見たところで、
「ふーん」という感じで、今一つピンとこないことがあるかもしれません。
結果だけではなく、
その過程にも注目してみましょう。
心拍数が計測できるならば、
「①夕方」「②起床時」を確認してみてください。
①夕方
心拍数が高まっていることが理想です。
夕方に体を動かすなどで、心拍数を高め結果スコアと比例していれば、
深部体温が上昇し、深い睡眠が増えたのだ、
と読み取ることができます。
夕方の心拍数が上がっていなかった日は、
深い睡眠の割合が少なくなっている。
この関係性がデータで読み取れると、
「なるほど、やっぱり夕方の運動は重要だ」と
納得して取り組むことができます。
②起床時
質の良い睡眠の1つの条件は、睡眠中の心拍数が低いことです。
睡眠中の心拍数は、
起床時の心拍数に反映されるので、
起床時、心拍数が低ければ、睡眠中に充分休むことができた、ということです。
例えば、ベッドの上でスマホを使って動画を見ながら眠った日は、
起床時の心拍数が高いなど、
関係性がデータで読み取れると、
「スマホはベッドに持ち込まないようにしよう」と
改めて理解できます。
データを読み解けば、
自分の行動に自信が持てますね。
次回も、ウェアラブルデバイスを
睡眠改善に役立てる方法をお伝えします!

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
著書:あなたの人生を変える睡眠の法則2.0
イラスト/菅原洋平
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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